Kyoto Shimbun 1998.12.7「京都・より道スポット」

 宮艸らんぷ館

 一昔前の日本映し出す

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先人の火に対する思いが伝わるランプや照明器具

 1965年夏、会社員だった宮艸(くさ)万寿夫さん(72)が神戸の道具屋で古ぼけたランプを見つけたのが、らんぷ館のはじまり。「このランプは、どんな人のどんな人生を照らしてきたのだろうか」。収集したランプは600点に増え、84年、自宅を改造してランプ館を開設した。

 石油ランプは、日本では江戸時代末の安政年間から、電灯が広く普及する大正時代の初めまで使用されていた。日本の歴史上、わずか数十年余りがランプの最盛期で、この時代のランプ類が多く展示される。

 木造の館内には、石油ランプをはじめ、三角カンテラ、ガス灯、小田原提灯(ちょうちん)、枕行灯(あんどん)、和蝋燭(ろうそく)が、一時代昔の日本を映し出す。さらに時間をさかのぼって、火縄や火打石など、先祖たちが火を大切に使っていたころをしのばせる品もあり、照明具の変遷が分かる。

 明治初期の自転車に搭載されたアセチレンガスを利用した前照灯など実用品のほか、約3メートルの竿(さお)に小さな燭(しょく)台をつけた、歌舞伎のスポットライト「面あかり」や東大寺二月堂お水取りで使用された大かごたいまつなど伝統の品々も。

 「人々の知恵と努力の結晶を見て」という宮艸さん。西洋の工夫を凝らした照明器具も同時に展示する。水を入れたフラスコの凸部分を利用して、光量を増加させる英国製の珍しいウオーターレンズランプ、ラクダの腸を張り合わせたステンドグラス調のランプなども、見るだけで楽しい。

 館内に飾られる「なまはげ」や「ひょっとこ」の面、ビー玉などがさりげなく、古き良き日本を演出する。宮艸さんは「古いものがあってこそ今がある。いろんな困難を超えてきた先人の足跡を見てもらえれば」と話している。


 宮艸らんぷ館  京都市西京区山田六ノ坪町。展示時間は午前9時〜午後4時。木曜休館。予約が必要。江戸時代中期から昭和までのランプと照明器具、着火道具600点あまりを収蔵し、うち200点を展示する。入館無料。
 電話075(381)9178。

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