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Kyoto Shimbun 1998.12.10「京都・より道スポット」
国内外の400点を展示
JR山科駅前から、旧三条通を西へ徒歩約5分。昔ながらの商店街の一角に、レンガ風の近代的な建物が目につく。玄関を入ると、陳列ケースに白木の箸(はし)や塗り箸が所狭しと展示されている。 先代から続く箸問屋を経営する井津明楽さんが1996年11月、70歳の記念に国内外の箸を集め、自らのビルの1、2階に展示、開放したのが始まり。館長は井津さんの息子が務め、収蔵品450点のうち、400点を常設展示している。 展示品では、螺鈿(らでん)細工の若狭塗りの箸や、銀を象嵌(ぞうがん)したうるし塗りの箸箱など、職人の技術の粋を集めたものが目を引く。中国やモンゴルの貴人が毒味に使った銀の箸や、ご飯をかき込むのに便利な先がずん胴の中国の竹箸、韓国の食堂で使われる割り箸など、各国の食文化を反映した品も見ることができる。 展示品に加え、歴史や製作過程、東アジアの箸の文化圏を示したパネルがあり、資料館を一巡すれば、一通りの知識を得ることができる。 見学だけで飽き足りない向きには、約30年間、日本の食文化を研究してきた井津さんの解説がおすすめ。箸の歴史や、各国ごとに異なる多様な使われ方を約1時間で話す。2月から始めた箸作りの体験講座とともに、日本文化を学ぶ外国人や修学旅行生に人気を呼んでいるという。 今年1月からは、ミニニュース「話の種シリーズ」を毎月発行。「紫式部もイワシを食べていた」「ゴマをすりつぶして食べるのは先人の智恵」など、柔らかい語り口で日本の食文化の奥深さを紹介している。 井津さんは「最近は、お箸も外国製品に押され気味。日本の箸職人も高齢の人が多い。お箸を中心に、先人がつちかった立派な食文化を見てもらいたい」と話している。
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