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Kyoto Shimbun 1998.12.17「京都・より道スポット」
つぼに魅せられ集める
古代ギリシアのつぼに魅せられたという館主の蜷川明さん(79)と妻の岸子さん(72)が、40数年かけて欧州を巡り歩いて集めた個人的なコレクション。「日本の宝として持っておきたかった。持ってる以上、みんなに見てもらいたい」と昨春、自宅を改装してオープン。採光や順路など、設計から展示の仕方までこだわった手作りの美術館だ。 紀元前5〜6世紀ごろの古代ギリシア時代。ぶどう酒や穀物を貯蔵するつぼや水差し、香油瓶などには、ギリシア神話の1シーンや生活の様子が黒と赤の2色で影絵のように描かれた。オリンポスの神々が宴席で楽器を奏でたり踊ったり、馬車競走に熱中する姿には、古代地中海人たちの生活がしのばれる。 「今でも十分美しい。研ぎ澄まされた魅力がたまらない」と岸子さん。つぼを集めるうち、今にも動きだしそうな大理石の彫刻やレリーフの施された石棺、青銅の副葬品といった収集品も増えていったという。 700点を超す所蔵のうち、展示は常時100点余り。エンタシスの柱で飾られた入口をくぐると、ヘラクレスの胴体が目に入る。手足や頭部の欠落したローマ時代の彫像だが、迫力は十分。幅広いコレクションを、ドイツ・ヴュルツブルグ大名誉教授のエリカシモン博士の指導でバランスよく展示している。岸子さんは「小さな館ですが、集めた品は選りすぐりばかり。よいものの魅力はだれの目にも通じますよ」と話している。
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