Kyoto Shimbun 1998.12.18「京都・より道スポット」(2003.8.22 一部訂正)

 京都工繊大美術工芸資料館

 ポスターは時代映す鏡

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時代や国ごとの文化を反映した、多彩なデザインのポスターが並ぶ

 ポスターのコレクションが有名だ。現在、所蔵点数は約3000点。ただし、これは貴重品に限った数だ。「ストックしているポスターの仮番号は現在、19800番くらいです」と竹内次男教授は話す。

 もらい受けたり、購入、交換で手に入るポスターは、年間1500種類にのぼる。「どれに価値があるのか、すぐには分からない。とにかく残し、10年ほど後に、いい物を所蔵品に加えるんです」。山と積んだポスターには、風を通すことも必要だ。「重労働です」と竹内さんは苦笑した。

 コレクションの始まりは今世紀初めにさかのぼる。前身の京都高等工芸学校の教授だった浅井忠画伯が1902年、約80点をフランスから持ち帰った。劇場や酒、自転車教習所などのポスター。ロートレックの作品も一点あった。翌年、同じく教授で建築家の武田五一博士も、ドイツから約30点を持ち帰った。

 ポスターは教材として活用されたが、1980年の資料館設立の後、館の特色として収集を始めた。「ポスターは時代の鏡。企業の戦略や消費者の意識、流行などが鮮明に表れる。国の文化による表現の違いも、面白いほど出るんです」。竹内さんは説明する。

 資料館にはポスター以外にも、ハンガリー陶器やティファニーのガラス器、パリの万博時の写真原版など幅広い所蔵品がある。大学キャンパス内にあるせいか、月間の来館者は500人程度と控えめだが、意外な逸品に出合えそうだ。


 京都工繊大美術工芸資料館  京都市左京区松ケ崎御所海道町。開館日は通年開館(年末年始、入試期間、展示替えの期間を除く)、休館は月曜日(ただし祝日となるときは、翌火曜日が休館)。開館時間は午前10時〜午後5時(入館無料は4時30分まで)。
 電話 075(724)7924。

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