Kyoto Shimbun 1998.12.26「京都・より道スポット」

 立命館大国際平和ミュージアム

 人類史的テーマ、考える場に

photo
修学旅行生など若者にも知名度が高まっている立命館大国際平和ミュージアム

 「平和とは」「戦争とは」を、様々な資料展示で問いかける国内でも珍しい博物館。今年でオープン6年になる。近年は、修学旅行コースにも選ばれることが増えた。高校生たちが熱心に見学する姿に出会うことも多い。

 なぜ平和が崩れて、戦争が始まるのか。ミュージアムには、平和は「守ろう」と唱えて実現するものではなく、「創り出されるもの」という基本的な視点がある。ミュージアムは「創り出す」ための研究機関でもあるという。

 5千点を超える展示品の多くは、全国から寄贈された。主に常設展と特別展からなり、常設展は「十五年戦争の実体」「第二次世界大戦と戦争責任」「現代における戦争と平和」の3つのテーマがある。

 十五年戦争のコーナーでは、戦争協力のための貯蓄奨励ポスターや満州への侵略を、子ども向けに訴える紙芝居などがあり、戦争が政府のかけ声だけでなく、一般人が進んで「協力」しながら進められたことがわかる。

 このほか、米軍が計画していたとされる京都への原爆投下について「広島型原爆が京都駅の西側に投下された」という想定で被害の状況をシミュレーション画像で紹介するなど、分かりやすい工夫も随所に見られる。

 一方、企画展も多彩だ。今年5月には、被爆少年を描いた漫画「はだしのゲン」の原画展を開催。折しも開会中に、インドが地下核実験を強行したため、修学旅行生をはじめ多くの見学者から強い反響があったという。館長の安斎育郎教授は「なぜ十五年戦争を防げなかったのか、なぜ殺りくと破壊に狂奔したのかという、人類史的テーマを考える学習と思索と創造の場にしていきたい」と話している。


 立命館大国際平和ミュージアム  京都市北区等持院北町。開館時間は午前9時半から午後4時半まで(入館は4時まで)。月曜日と祝日の翌日、年末年始は休館。有料。
 電話 075(465)8151。

▲観光情報▲  ▲もくじ▲  ▼つぎへ▼