Kyoto Shimbun 1998.98.12.26「より道スポット」

 京都造形芸術大芸術館

日本の精神の源流探る

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落ち着いた雰囲気の中で、美術鑑賞を楽しむ来館者たち

 イチョウ並木がある京都市左京区の白川通の一角。おしゃれなレストランや喫茶店、アンティークショップなどを眺めながら、ゆっくりと散歩を楽しんでいると、ガラスのショーケースに収められた縄文土器が視線に入る。

 京都造形芸術大・京都芸術短大が昨年9月、日本人の美意識のルーツをたどろうと開設した。約200平方メートルのこじんまりしたスペースに、観賞用のいすとテーブルを置き、縄文土器のほか、シルクロード関連の陶磁器や金属器など、約60点を常設している。

 「まちの小さな美術館」をコンセプトにしているとあって、研究者や学生以外にも、地元の小中学生や地域住民の来館が絶えない。ここ1年の間に、5千人近くが訪れた。心ゆくまで美術鑑賞を楽しめるのが人気の秘けつという。

 収蔵品のメーンは、縄文時代の土器や装飾具。日本列島の各地で1億を超える粘土作品を焼き続けた縄文人の芸術品から、日本の精神の源流を探っていくのが狙いという。

 中でも、玄関正面の陳列台に展示された大型の縄文土器には圧倒される。高さは50センチ近くもあり、赤茶けた色。1万年の風格を感じさせる。最近は、デザインの参考に取り入れる学生も多いという。

 常設展示のほか、企画展にも力を入れている。同館担当の黒川修一助教授は「落ち着いて美術品を見ていると、人それぞれの感性で、何か感じ取るはず。詳しい説明よりも、まずは本物に触れてほしい」と話している。


 京都造形芸術大芸術館  京都市左京区北白川瓜生山。市バス5系統「上終町(かみはて)」から徒歩1分。開館時間は午前10時半―午後6時半。休館日は毎週月曜。春・夏・冬などの大学の休業時や博物館実習期間中は閉館する時もある。入場無料。
 電話 075(791)9182。

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