Kyoto Shimbun 1998.12.15「京都・より道スポット」

 藤森神社宝物殿

 重文の鎧含め武具並ぶ

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貴重な鎧や刀、鉄砲などが整然と並ぶ館内

 武運の神として知られる藤森神社。展示場には鎧(よろい)や刀、鉄砲など様々な武具が並ぶ。

 同神社は平安建都のはるか以前の西暦203年、神功皇后が境内の地に軍旗を立て、塚を造って兵器を納めたのが起こり、という。またヤマタノオロチを征伐したスサノオノミコトを祭神としており、古くから武人の信仰を集めてきた。

 展示品は同神社に伝わる社宝に、藤森信正宮司が集めた武具を加え百数十点。なかでも目を引くのが、国の重要文化財に指定されている紫絲威(むらさきいとおどし)大鎧だ。南北朝時代の鎧で、その格調の高さから高貴な武将が用いたものと推定されている。かつては東京国立博物館に展示されていたが、1989年の宝物殿開館に合わせ里帰りした。

 ほかにも日本刀や火縄銃、短銃、なぎなた、やりなど古今の武具が並ぶ。なかには銃身の短い馬上銃、一貫目玉を打ち出す大筒、鳥羽伏見の戦いで薩摩藩が使った大砲など珍しい武具もある。砲身が8本ある「八連式の火縄銃」など、実際に使われたのかどうか分からないようなユニークな武器もあり、来館者の興味を引いている。

 戦前の伏見は陸軍の第16師団が置かれるなど軍都として栄えた。同神宮の溝脇操権禰宜(ねぎ)は「戦中は武運長久を祈願する兵士たちが大勢参拝に来たと聞いています」と話す。

 平和な時代となった今、武運の神というより、勝負の神として信仰を集めており、競馬ファンや馬主、騎手らの参拝も多い。宝物殿には馬に関するコレクションもあり、古くから同神社に伝わる鞍(くら)や鐙(あぶみ)も展示。一昨年には「馬の博物館」も併設した。郷土がん具をはじめ東西の馬の置物や、おもちゃなど約300点を並べている。


 藤森神社宝物殿  京都市伏見区深草鳥居崎町の藤森神社内。同神社を描いた絵巻物や神輿(みこし)なども展示する。京阪墨染駅から徒歩5分。年中無休(5月1日から5日までは祭礼のため休館)。開館時間は午前9時―午後4時。入館無料。
 電話 075(641)1045。

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