Kyoto Shimbun 1999.2.5「京都・より道スポット」

 いけばな資料館

 最古の花伝書など展示

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生け花に使われるさまざまな花器が展示されている館内

 六角堂の名で、古くから親しまれている紫雲山頂法寺。同寺はいけ花発祥の地といわれ、冬場でも御堂には花が絶えない。資料館は、家元が同寺の住職を兼務する華道・池坊が、1976年12月に完成した寺北隣りのビル内に開設した。

 生け花の歴史は古く、室町時代にまでさかのぼる。現在一般的に行われている生け花は、庶民の家屋に床の間が作られるようになった江戸後半から広まった「生花(しょうか)」と呼ばれるものが原形。それ以前は、「立花(りっか)」が中心で、主に宮中や寺などの座敷や庭で飾られていた。

 生け花に関する資料収集や研究を行っている池坊中央研究所の安西佳津子課長は「当時は、着物を着て畳の上で優雅に花を生けるなんてとんでもない。立花はのこぎりで枝を切ったり、背丈ほどもある木を生けたりと、力仕事だったんです」と教えてくれた。

 紫と白で統一された540平方メートルの館内には、現存する最古の花伝書をはじめ、生け花に関する古文書やびょうぶ、花瓶など約35点が展示されている。

 重要文化財の「立花之次第九十三瓶有」は、17世紀初めに活躍した池坊専好が御所や貴族の屋敷で立てた立花を、絵で記録したもの。後世の手本にもなり、「不世出の名手」といわれた腕前がうかがえる。

 また、町人が活躍し、優しく美しい気風が好まれた江戸時代の元禄年間、厳しい改革が行われ、控えめで地味に生けられた寛政年間など、それぞれの資料に描かれた生け花の図を見比べると、時代の雰囲気がわかり興味深い。

 安西課長は「生け花は、花の取り合わせや生け方、形も時代に応じて変化している。生け花をしたことのない方にも楽しめます」と話している。


 いけばな資料館  京都市中京区六角通東洞院西入ル、池坊ビル3階。開館は土・日・祝日と年末年始を除く、午前9時から午後4時まで。入館無料だが、事前に電話で予約が必要。
 電話075(221)2686。

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