京都新聞
紙面特集

リニューアルオープン記念展
堂本印象 創造への挑戦
京都府立堂本印象美術館

「豊雲」 1974年

斬新さ 輝き一層

「太子降誕」 1947年
京都府立堂本印象美術館蔵

 洛北・衣笠の地にある京都府立堂本印象美術館が大規模改修を経て新生オープンする。文化勲章受章者の日本画家堂本印象(1891~1975年)が自らデザインした美術館は、建物外壁の抽象レリーフから館内の装飾まで斬新な意匠。開館時の輝きを半世紀ぶりに取り戻し、記念展「堂本印象 創造への挑戦」を開く。

 印象の自宅隣の敷地に同館がオープンしたのは66年。92年、府立として再開館した。創立50周年記念に、昨春から大規模改修工事が始まった。汚れていた外壁は、鮮やかな白に塗り直した。「入りやすく親しみやすい美術館」を掲げ、門の間口を広げて、館前のバス停に敷地の一部を活用した待合スペースを確保した。カフェを新設、ミュージアムショップも一新。庭園を散策できるように整備し、3階に眺望豊かな「サロン」も設けた。

独創的な印象デザインのレリーフが鮮やかに浮かび上がった美術館外観(京都市北区)

 再出発の展覧会は、常に自己を革新し、新たな作風に挑みながら画境を深化させた印象の足跡を振り返る。見どころは、29歳の出世作「調鞠(ちょうきく)図」(前期展示)は26年ぶりの公開。蹴鞠を楽しむ中国の貴人をモデルにした清新な作品だ。仏教やインド、日本の神話を画題にした伝統的な日本画から古典的な大和絵風の作品、戦後はモダンな都市風俗、宇宙的で音楽的な抽象画へ移行していった。

 最晩年に最高裁判所の依頼で手がけた長さ11メートルの巨大額絵「豊雲」は圧巻だ。流れるような線と漂う色面が交錯する。自身がデザインした装飾的な額も、印象の世界を引き立たせる。

 整備された庭園では、京都彫刻家協会が野外彫刻展を開催。美術館は、一気にアートの春に包まれる。

「調鞠図」 1921年
永青文庫蔵=前期展示
「訶梨帝母」 1922年
京都国立近代美術館蔵=前期展示
「木華開耶媛」 1929年
京都府立堂本印象美術館蔵
案内
■会  期3月21日(水・祝)~6月10日(日) 前期は4月30日まで、後期は5月2日から 月曜休館 4月30日は開館、5月1日は休館
■開館時間午前9時半~午後5時(金曜は午後7時半まで) 入館はそれぞれ閉館30分前まで
■会  場京都府立堂本印象美術館(京都市北区平野上柳町)
■主  催京都府 京都府立堂本印象美術館 京都新聞
■入 館 料一般500円(400円)大学・高校生400円(320円)中・小学生200円(160円) ※かっこ内は20人以上の団体 65歳以上と障害者手帳を持っている人(介護者1人含む)は無料
■関連イベント座談会「堂本印象の挑戦」=3月25日午後2時、同美術館ロビー。原田平作氏(大阪大名誉教授)橋爪節也氏(大阪大教授)太田垣實氏(美術評論家)平井章一氏(京都国立近代美術館主任研究員)▽講演「最高裁判所の依頼画にまつわる話など」=5月27日午後2時、同館ロビー。講師は松尾敦子氏(府立堂本印象美術館学芸員)▽野外彫刻展=3月21日~5月6日、同館庭園。開館時間などは本展と同じ。
【2018年3月19日付京都新聞朝刊掲載】