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きっかけは前回大会、急成長
周囲を驚かせたのは、12月の全日本実業団女子駅伝だった。エース区間の3区(10キロ)で、同時にたすきを受けた福士加代子(ワコール)とデッドヒートを繰り広げた。淡々とした表情で最後まで食らいつき、先行すると、わずか1秒差で昨夏の世界選手権代表を振り切った。それでも「1度いい結果を出しただけ。まだ通過点」と、そんなに喜びは見せない。 実業団3年目の今季は、「点を線で結ぶようにすべてを駅伝につなげてきた」と、目的意識を明確にして走ってきた。5000メートルでは、昨年を30秒上回る今季日本ランク7位の15分22秒51をマーク。1万メートルでも全日本実業団で自己新の31分49秒59で8位に入り、チームの大黒柱に成長した。 急成長の弾みとなったのが、熊本代表で1区を走った昨年の第21回大会だ。初の19分台突破を果たした山中美和子(ダイハツ)の後を追い、京都の小崎まり(ノーリツ)と競り合いながら、区間記録に1秒差に迫るタイムで区間2位に食い込んだ。「小崎さんの力を借りて勢いに乗ったおかげ。周りは強い選手ばかりで自信になりました」と振り返る。 21歳。日本代表の経験はまだないが、アテネ五輪参加標準記録Aの1万メートル31分45秒00は射程圏内にとらえた。「五輪への意識がまったくないと言ったらうそ。でも目の前のことに集中していくだけ」。頭の片隅に見え始めたアテネへの道を歩き出す。 7度目の都大路は初の京都代表で挑み、エースとしてアンカーを走る。「多少の緊張とワクワク感がある」と、優勝が期待される重圧をまるで楽しんでいるよう。多くの有力ランナーも、京都のエースとして走った経験を糧に飛躍を遂げた。「あの声援を受けるだけですごい力になる」と、目を輝かした。(おわり)
写真=全日本実業団駅伝の3区で福士を破り注目を浴びた阿蘇品(12月14日・岐阜市) ★あそしな・てるみ★ 熊本県一の宮町出身。一の宮中−熊本信愛女学院高を経て京セラに入社。中学時代の第15回大会で優勝した熊本チームの3区を走り、区間賞を奪った。158センチ、42キロ。 |