京都新聞:紙面特集

堂本印象生誕125年 INSHO EXPOSITION
天才!!印象ワールド  10月6日から
京都府立堂本印象美術館(特集)

規格外 多彩な魅力
「印象画伯自画像」 1935年

 大正、昭和の京都画壇を代表する日本画家堂本印象(1891~1975年)は絵画にとどまらず、規格外の創造を展開した。彫刻から茶釜、婚礼衣装まであらゆる意匠に挑み、果ては自身の美術館のデザインまで手掛けた。その幅広い仕事を紹介する「INSHO EXPOSITION~天才!! 印象ワールド」が6日、京都市北区の府立堂本印象美術館で開幕する。

 市立美術工芸学校を卒業した印象が最初に飛び込んだのが、染織の世界。図案制作に携わる。しかし、日本画家になる夢を追って絵画専門学校へ。第1回帝展に初入選すると、日本画家として地歩を固め、61年文化勲章を受章した。多岐に渡る作品を一堂に集める同展は、初公開は半数以上、紹介する機会のなかった作品を公開する。

 身近なものを愛した印象らしい作品が、油彩の肖像画群。家族やゆかりの人々をモデルにしている。旅先の風景を描きとめたペン画、地元の衣笠小に贈った書「創造」なども展示する。額をはみ出して描かれる自画像だけでなく、広がる創意はさらに型破りで、ちゃめっ気に満ちている。茶釜の意匠ははるか地中海の風景をイメージ、絹の肌着は歌舞伎「矢の根」を大胆に描く。木彫「暫(しばらく)」、鳳凰(ほうおう)を下絵にした豪華な婚礼衣装、陶器の絵付け、ふろしき原画、日本酒ラベルのデザインなど、この雑多さも印象の魅力だ。

 根源には、素朴な作る喜び、素材への関心、器用さがあったのだろう。その究極の形が、自身で構想した美術館。ステンドグラス、扉、椅子までデザインした。かつての屋上装飾の原型となったブロンズ像「吉祥天」も披露する。

 同館は展覧会後、2018年春まで改修に入る。リニューアル前の最後の展示となる。

「茶釜地中海」
1961年~63年
「松桐鳳凰文様振袖(三つ襲ねのうち)」
大正時代 北村美術館蔵
「梅(ふろしき原画)」
1972年ごろ
宮井株式会社蔵
「乙女」
1952年
案内
■会     期10月6日(木)~12月25日(日) 月曜休館 10月10日開館、翌日休館
■開 館 時 間午前9時半~午後5時、金曜日は午後7時半まで(入館は各30分前まで)
■会     場府立堂本印象美術館(京都市北区平野上柳町)
■主     催京都府、府立堂本印象美術館、京都新聞
■入  館  料一般500円(400円)大学・高校生400円(320円)中・小学生200円(160円)
※かっこ内は20人以上の団体 65歳以上(要証明)と障害者手帳持参の人(介護者1人含む)は無料
■講  演  会11月13日「風呂敷の歴史と伝統、そして今」。講師は小山祥明氏(宮井株式会社学芸員)
12月4日「堂本印象のマルチな活動について」。講師は山田由希代氏(堂本印象美術館主任学芸員)
※それぞれ午後2時から、同館1階ロビーで(要入館券)
■ギャラリーツアー10月23日、11月12日、12月11日。各日午後2時から、1階ロビー集合(要入館券)
「昇る」
1970年
「毛抜き」
1914年
「暫」
1915年
「創造」
1970年ごろ
京都市立衣笠小学校蔵
「吉祥天」
1966年
※記載がないものは府立堂本印象美術館蔵

【2016年10月4日付京都新聞朝刊掲載】