京都新聞:紙面特集

関雪と印象
白沙村荘橋本関雪記念館

橋本関雪「猟図」 1915年 白沙村荘橋本関雪記念館蔵


橋本関雪「休息」 1907年 白沙村荘橋本関雪記念館蔵

京都画壇の雄、競演

 大正から昭和にかけて京都画壇を舞台に活躍した二人の雄、橋本関雪(1883~1945年)と堂本印象(1891~1975年)の名品が競演する白沙村荘秋季特別展「関雪と印象」が18日、京都市左京区の白沙村荘橋本関雪記念館で開幕する。

 神戸に生まれた関雪は20歳の時に、京都画壇の竹内栖鳳主宰の「竹杖(ちくじょう)会」に入門。四条派の写生を基礎にした動物画を得意とし、漢学の素養を生かした新南画、新古典といった独自の画風を展開。銀閣寺近くに邸宅を構え、創作に没頭した。63年、その地に開設したのが記念館だ。一方、西陣織の図案描きに従事していた印象は、画家を目指して京都市立絵画専門学校で学んだ。仏画、動物画、モダンな社会風俗画、抽象画のほか、社寺の障壁画など幅広く手がけた。66年に自身がデザインして堂本印象美術館を開館した。

 作風が異なる二人だが、接点がある。26年、西村五雲、菊池契月らと結成した日本画研究団体「六合会」でともに研さんを重ねた。三菱財閥の岩崎家の依頼で、二人は川端龍子、鏑木清方、前田青邨といった関東の大家たちと献上屏風(びょうぶ)を共同制作している。

 今展は、二人の計約30点を、3室に比較鑑賞できるように配置する。関雪の六曲一双屏風「猟図(りょうのず)」は、馬上で狩りをする若者が主題だ。四条派的な描写の動物に対し、中央の草むらは琳派風。多様な画風を融合しようとする当時の画壇を象徴する一作だ。三国志や中国宋代の詩人など、中国に画題を求めた作品も展示する。印象は柔らかな筆触でタカを表現する「爽籟高清」、人気の高い「木華開耶媛(このはなさくやひめ)」、抽象画の傑作「交響」などを紹介する。記念館の草木が色づく庭園が、名画に花を添える。



堂本印象「交響」 1961年 
府立堂本印象美術館蔵
堂本印象「木華開耶媛」 1929年 府立堂本印象美術館蔵
橋本関雪「朧夜」
1943年 白沙村荘橋本関雪記念館蔵
堂本印象「爽籟高清」 1940年 府立堂本印象美術館蔵


案内
■会  期11月18日(土)~12月24日(日) 会期中無休
■開館時間午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
■会  場白沙村荘橋本関雪記念館(京都市左京区浄土寺石橋町)
■主  催 公益財団法人橋本関雪記念館 京都府立堂本印象美術館 京都新聞
■入 場 料一般1500円 大学生700円 高校生以下無料
■関連イベント記念講演会=12月2日、神林恒道氏(大阪大名誉教授)▽9日、原田平作氏(大阪大名誉教授)
ギャラリートーク=11月26日、12月24日、橋本眞次氏(同記念館副館長)。いずれも午後3時から。入館券が必要。
【2017年11月17日付京都新聞朝刊掲載】