京都新聞:紙面特集

絹谷幸二 色彩とイメージの旅
京都国立近代美術館

喝破 2015年

 エネルギッシュな絵筆で、人間の肖像、神話、祈り、日本の風景を縦横無尽に表現してきた画家絹谷幸二さん(1943年~)の展覧会「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」が22日、京都国立近代美術館で始まる。金閣寺や二条城など京の名所を背景に昇竜を描いた3点の新作、三面スクリーン映像の大作など、初公開を含む計約120点を通じて幅広い画業を紹介する。










時空超えるエネルギー

オープン・ザ・ボックス・オブ・パンドラ
1990年

 絹谷さんは奈良県生まれ。東京芸術大大学院で壁画科へ。古典壁画のアフレスコ技法を研究し、イタリアへ留学した。帰国後は同技法を生かしながら、劇画表現を取り込んだ鮮烈な色彩の作品が脚光を浴びた。74年、画壇の登竜門「安井賞」を歴代最年少で受賞。独立展を中心に発表し、2001年日本芸術院会員、14年に文化功労者となった。

 初期から現在までの代表作を一望する同展は、「蒼の時代」と名付ける初期、少年時代の無常観や不安に根差した心象的な絵画に始まり、イタリア留学時代の貴重な模写、安井賞受賞作「アンセルモ氏の肖像」、色彩が人物の中に躍動する肖像シリーズ、神仏の像や神話を題材に現代社会を批評する作品、故郷・奈良、富士山を力強く表した近作まで多彩に並ぶ。

 創意は平面にとどまらない。巨大な立体は、豊かな色彩と力感、生命の熱い鼓動に満ちている。陶芸、ガラス、素描なども展示する。京都を舞台にした最新作は、「水は人間の命を支える巨大なエネルギー」と、鴨川の流れを踏まえて水神・竜を描く。平治の乱を主題に、時空を超える新しい風景画も公開する。






滝登る鯉転依龍神
(たきのぼるこいてんねりゅうじん) 2017年
光輝龍王二条城
(こうきりゅうおうにじょうじょう) 2017年
迎臨飛龍金閣寺
(げいりんひりゅうきんかくじ) 2017年
アンセルモ氏の肖像 1973年
東京国立近代美術館蔵
蒼の間隙 1966年
蒼天富嶽龍宝図 2008年
案内
■会期 8月22日(火)~10月15日(日)
展示替えあり 前期は9月18日まで、後期は20日から月曜休館。9月18日、10月9日開館、各翌日休館。
■開館時間 午前9時30分~午後5時(金曜と土曜は午後9時まで。入館は閉館30分前まで)
■会場 京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
■主催 京都国立近代美術館 毎日新聞社 京都新聞
■入場料 一般1400円(1200円)大学生900円(700円)高校生500円(300円) かっこ内は20人以上の団体。中学生以下と障害者手帳持参の人(介添者1人)は無料。
■記念イベント対談=9月1日午後6時、山極寿一(京都大総長)、絹谷幸二▽鼎談=15日午後6時、宗由貴(少林寺拳法グループ総裁)、小池薫(京都大大学院医学研究科教授)、絹谷幸二
※敬称略。ともに先着100人(当日午前11時から整理券配布)
▽公開制作=9日、10日各午前10時から▽東京音楽大コンサート=30日午後5時
※すべて同館が会場。本展観覧券が必要
■問い合わせ京都国立近代美術館075(761)4111