京都新聞:紙面特集

大津の浄土宗寺院 新知恩院と乗念寺 10月15日から
大津市歴史博物館(特集)

最古級・法然立像 優しく
「当麻曼荼羅(たいままんだら)」とも呼ばれ、極楽浄土の様子を描いた「絹本著色観経(かんぎょう)変相図」(乗念寺蔵、鎌倉時代作、縦131センチ横125・4センチ)

 浄土宗の新知恩院(大津市伊香立下在地町)は応仁の乱(1467~77年)の初年に、知恩院(京都市東山区)が疎開して開かれ、知恩院ゆかりの宝物をはじめ、多数の寺宝を収蔵している。同宗の乗念寺(同市京町2丁目)は1588(天正16)年に開創し、江戸時代には同宗寺院組織「大津門中」の一つとして、大津百町の町人の信仰を集めた。

 今回の展示会は大津市歴史博物館が関わる両寺の宝物と収蔵品調査の成果発表の場として企画。展示では仏像や仏画など重要文化財3件を含む、計約110件を紹介する。

 このうち、新知恩院の本尊「木造法然上人立像」は鎌倉時代に造られた最古級の法然立像。像高48センチと小像ながら写実的で彫刻の技術に優れ、表情は優しい雰囲気を持つ。法衣の裾の二段に折り返した横じわは法然像の特徴という。

 乗念寺の重要文化財「木造聖観音(しょうかんのん)立像」は平安時代作の像高157・5センチで、頭頂部に高く束ねた髻(もとどり)に円筒形の宝冠をかぶせた様式。一木造で重量感があり、面相は丸みがあってふくよかな表情をしている。

 同博物館は関連講座を会期中の10月22、29日、11月5、12、13、19、20、26日(いずれも午後2時~3時半、有料、事前申込制)に開催する。

■会   期10月15日~11月27日
■開館時間午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
■休 館 日月曜日と11月4、24日
■主   催大津市、大津市教育委員会、大津市歴史博物館、京都新聞
■観 覧 料一般800円(640円)、高校・大学生400円(320円)、小中学生200円(160円)
※( )内は前売り、15人以上の団体割引
■問い合わせ大津市歴史博物館 TEL077(521)2100

重量感があり、柔らかい表情の「木造聖観音立像」(乗念寺蔵)
着衣を写実的に表現した本尊の「木造法然上人立像」(新知恩院蔵)
木造では珍しい入滅した姿で、胸に水晶をはめ込んだ特殊な技法の「木造釈迦涅槃(ねはん)像」(新知恩院蔵、鎌倉時代作、体長12.8センチ)
 
【2016年9月30日付京都新聞朝刊掲載】

3館連携キャンペーン
会   期各館開催の期間中は利用可能
内   容佐川美術館と大津市歴史博物館は、いずれかの館の観覧券半券を提示すれば観覧料を団体料金に割り引く。
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問い合わせ京都新聞COM滋賀事業部 TEL077(523)3134