京都新聞
紙面特集

蘭島閣美術館コレクション 京の日本画家が描く情景
京都府立堂本印象美術館(特集)

上村松篁「五月」 1991年

今につながる創意の水脈

 広島県呉市にある「蘭島閣美術館」が集めた京都の近現代日本画を紹介する企画展「蘭島閣美術館コレクション 京の日本画家が描く情景」が28日、京都市北区の府立堂本印象美術館で始まる。福田平八郎、小野竹喬ら京都画壇から、その精神を受け継ぐ現役の画家に至る、知られざる名品を紹介する。

 蘭島閣美術館は1991年、瀬戸内海に浮かぶ下蒲刈島に開館。木造建築の建物で、近現代の日本画、洋画、版画など計約2200点を収蔵する。今回の展覧会は、これらの絵画からよりすぐった京都ゆかりの作品計32点を展示する。

竹内浩一「リンゴの木に」
1993年
三輪良平「舞妓二人」 制作年不詳
梶原緋佐子「美人図」
制作年不詳

 堂本印象美術館のある衣笠の地は、村上華岳、山口華楊、平八郎、竹喬らのアトリエがあり、「きぬがさ絵描き村」と称された地域。作品が生まれた「古里」ともいえる。平八郎「春雨」、竹喬「春景」、華楊「虎児」、上村松篁「五月」など、自然の本質を凝視する京都伝統の写生、進取に富んだ気風が息づいている。上村松園や梶原緋佐子の着物の美人画、三輪良平の舞妓像、池田遙邨の風景なども、情味豊かな空気感を漂わせる。

 現代の画壇で活躍する画家の作品も多い。浮遊感に生命のはかなさと美しさをとどめる竹内浩一をはじめ、下保昭、渡辺信喜、岡村倫行の佳品を陳列する。花鳥や人物、風景など幅広い作品を通して、京都に流れ続ける創意の水脈を感じ取れる。

 同時開催の「堂本印象 花鳥・動物の魅力」展は、清澄な空間に花や動物たちを表現した絵画を飾る。


橋本関雪「ふくろう」 1935年ごろ
山口華楊「虎児」 1957年

※作品はいずれも欄島閣美術館蔵

案内
■会  期6月28日(木)~9月30日(日) 月曜休館(7月16日、9月17、24日は開館、各翌日は休館)
■開館時間午前9時半~午後5時(入館は閉館30分前まで)
■会  場京都府立堂本印象美術館(京都市北区平野上柳町)
■主  催京都府、京都府立堂本印象美術館、京都新聞
■入 館 料一般500円(400円) 大学・高校生400円(320円) 中・小学生200円(160円) ※かっこ内は20人以上の団体 65歳以上(要証明)と障害者手帳を持参の人(介護者1人含む)は無料
■講 演 会7月28日、島田康寛氏(美術史家・美術評論家)「近代京都画壇を生んだ竹内栖鳳の系譜」▽8月25日、植田彩芳子氏(京都文化博物館学芸員)「大正・昭和期の京都の日本画」 ※いずれも午後2時、美術館東隣の旧堂本印象邸。要入館券。
■ギャラリーツアー7月7日、8月18日、9月22日 ※いずれも午後2時、同館1階ロビーに集合。要入館券。
■コンサート7月15日午後3時半、「庭園で聴く 琉球ヴァイオリン」。演奏は大城敦博▽9月15日午後3時と4時、「空に響く馬頭琴とホーミー」。演奏は福井則之。いずれも美術館庭園(雨天は美術館内)。無料。
■夏休みこどもワークショップ8月12日午後1時半。日本画家岡村倫行が鉛筆スケッチの極意を伝授。対象は小学1~6年。参加料300円(入館料別)。先着10人。要事前申し込み。
■問い合わせ堂本印象美術館075(463)0007。
【2018年6月26日付京都新聞朝刊掲載】