京都新聞:紙面特集

第25代専如門主伝灯奉告法要記念特別展
浄土真宗と本願寺の名宝Ⅰ-受け継がれる美とこころ-
龍谷大龍谷ミュージアム(特集)

国宝「三十六人家集」37帖のうち「忠見集」
(平安時代後期 西本願寺蔵 11月1日から27日まで展示)
親鸞から続く800年の彩り
絵画や古文書、法具など120件

 今秋から西本願寺(京都市下京区)で営まれる「第25代専如門主 伝灯奉告法要」を記念し、宗祖親鸞(1173~1263年)から歴代宗主へと継承された法宝物や各地の本願寺派寺院に伝わる貴重な宝物、文化財を紹介する特別展「浄土真宗と本願寺の名宝Ⅰ-受け継がれる美とこころ-」が24日、西本願寺前の龍谷大龍谷ミュージアムで開幕する。平安時代の和歌の名手・三十六歌仙の家集を集大成した「三十六人家集」(国宝)や、親鸞の曾(ひ)孫で本願寺第3代の覚如(1270~1351年)の生涯を描いた「慕帰絵(ぼきえ)」(重文)など絵画や古文書、法具など約120件を展示。親鸞の代表的な肖像画「鏡御影(かがみのごえい)」(国宝)も期間限定(11月18日~25日)で特別公開される。

 「三十六人家集」は、平安末期の白河上皇の頃に制作された。下絵や装飾を施した料紙に、能書家が流麗な筆致で和歌をつづった美意識あふれる傑作で、室町時代に後奈良天皇から本願寺第10代の証如に下賜されたという。今展では、全37帖のうち5帖が展示(常時2帖ずつ)され、開幕を飾るのは藤原元真による「元真集」と小野小町の「小町集」。11月公開の壬生忠見の「忠見集」は、繊細で華やかな文様が目を引く。

重文「慕帰絵」10巻のうち巻第7
(室町時代 西本願寺蔵)

 「慕帰絵」は中世絵巻の名品。覚如の歌人としてのエピソードを多く含み、当時の風俗や庶民の暮らしぶりなども詳しく伝える。今回は10巻のうち2巻を並べ、巻第7では覚如が和歌浦を訪れ、和歌を捧げる場面を描く。

 このほか、六角堂に参籠した親鸞が救世観音から夢告を受ける様子などを描写した「本願寺聖人親鸞伝絵」(重文、大阪・天満定専坊蔵)や室町時代の証如筆「本願寺系図」、狩野派の絵師が描き、本願寺内の小菊之間を彩る襖(ふすま)絵「伊勢物語図」なども出品。豊臣秀吉が本願寺に対し、現在地の土地提供を保証した「朱印状」は、政治権力との関係が読み取れる。

記念講演会

◆10月9日午後1時半~3時
 平 雅行氏(京都学園大人文学部教授・大阪大名誉教授)
 「親鸞聖人の流罪とあゆみ」
◆10月16日午後1時半~3時
 津田徹英氏(東京文化財研究所文化財アーカイブズ研究室長)
 「文化財としての浄土真宗の法宝物を考える」
◆10月30日午前10時半~正午
 安藤 徹氏(龍谷大図書館長・龍谷大文学部教授)
 「類聚と集成―平安朝文化の中の『類聚古集』と『三十六人家集』―」
◆10月30日午後1時半~3時
 金龍 静氏(本願寺史料研究所前副所長)
 「戦国期の本願寺―蓮如宗主から顕如宗主まで―」
◆11月13日午後1時半~3時
 四辻秀紀氏(徳川美術館学芸部長)
 「王朝の美意識―本願寺本『三十六人家集』―」
会場・龍谷大大宮学舎清和館3階ホール
無料、事前申し込みが必要(先着100人)詳細は龍谷ミュージアムホームページへ

スペシャルトーク

◆10月15日、29日、11月12日(いずれも午後1時半~2時15分)
 会場・龍谷ミュージアム101講義室
 展覧会の見どころを館長や学芸員が解説する。申し込み不要

「豊臣秀吉朱印状」
(部分 桃山時代 西本願寺蔵 11月1日から展示)
重文「本願寺聖人親鸞伝絵」2巻のうち巻上
(部分 南北朝時代 天満定専坊蔵 11月1日から展示)
【会  期】9月24日(土)~11月27日(日)休館日は9月26日、10月11日、17日、31日、11月14日
【開館時間】午前9時半~午後6時(10月1日~10日は午後8時半)※入館は閉館30分前まで
【会  場】龍谷大龍谷ミュージアム(京都市下京区堀川通正面下ル) TEL075(351)2500
【主  催】龍谷大龍谷ミュージアム、浄土真宗本願寺派、本山 本願寺、京都新聞、毎日新聞社
【入館料】一般1200円(1000円) 高校・大学生800円(600円)
小中学生400円(300円)※かっこ内は前売り、20人以上の団体
宗主の法具「鼈甲(べっこう)如意」
(明治時代 西本願寺蔵)

本願寺「小菊之間」の襖絵「伊勢物語図」
(江戸時代 西本願寺蔵 11月1日から展示)
【2016年9月20日付京都新聞朝刊掲載】