京都新聞:紙面特集

桃源郷はここ -I.M.ペイとMIHO MUSEUMの軌跡
開館20周年記念特別展

東西の美、一堂に

「耀変天目」(12~13世紀)

 1997年11月のオープン以来255万人以上が訪れ、国内有数の私設美術館となったMIHO MUSEUM(甲賀市信楽町)の開館20周年記念特別展「桃源郷はここ-I.M.ペイとMIHO MUSEUMの軌跡」が16日から始まる。所蔵品約2500点から特に名品の約350点を選び、同館の歩みを振り返る。

 同館は、ルーブル美術館のガラスピラミッドなどを手掛けた世界的建築家I.M.ペイ氏(米国)が設計した。美術館に至るトンネルとつり橋や80%が地中に埋まる本館など、「桃源郷」の体現を目指した造りとなっている。ペイ氏が今年100歳を迎えたことを祝う意味も込め、特別展を開催する。

 北館では、日本の古美術を中心に約200点を公開する。オープン後に収蔵した伊藤若冲筆の水墨画「象と鯨図屏風(びょうぶ)」や、光を当てると虹色の斑点が浮き上がる茶碗「耀変(ようへん)天目」、奈良県の室生寺伝来の仏画「焔摩(えんま)天像」などを紹介。会期後半には開館時の展示内容を再現する。

 世界の古代美術を並べる南館では、エジプト第19王朝時代(紀元前13世紀ごろ)の神殿にまつられた「隼頭(じゅんとう)神像」をはじめ、16世紀末~17世紀初期にイランで作られたペルシャ絨毯(じゅうたん)の最高峰「メダイヨン・動物文絨毯」など約150点を並べる。

 ペイ氏の業績や建設時の苦労を伝えるパネル展示もあり、構造体のパイプを「太すぎる」として発注寸前に変更するなど、妥協を許さなかったエピソードも紹介する。

「焔摩天像」(12世紀)
「地蔵菩薩立像」(13世紀)
「隼頭神像」(紀元前13世紀)
伊藤若冲筆「象と鯨図屏風」=1795年
2007年にMIHO MUSEUMを訪れた
I.M.ペイ氏=同ミュージアム提供
メダイヨン・動物文絨毯(サングスコ・カーペット)
=16世紀末~17世紀初期
案内
■会期 9月16日(土)~12月17日(日) 月曜休館。ただし9月18日、10月9日は開館、9月19日、10月10日は休館
■開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
■会場  MIHO MUSEUM(甲賀市信楽町田代桃谷300)
0748(82)3411
■入館料 一般1100円、高校・大学生800円、小・中学生300円(20人以上は各200円引き)
■主 催MIHO MUSEUM、京都新聞
■会期中の催し ▽夜間コンサート 9月22日午後6時半。クラシックアカペラグループAuraがユー・レイズ・ミー・アップ、相馬盆唄など披露。参加費は一般1万円、友の会会員9千円。予約必要。
 ▽講演会 11月3日午後1時半。「日本人の桃源郷」。熊倉功夫(MIHO MUSEUM館長)。予約・入館料必要。100人。
 ▽対談 11月5日午後1時半。「美術館と建築」。磯崎新(建築家)、藤森照信(建築家、東京都江戸東京博物館長)、案内役に熊倉功夫。予約・入館料必要。100人。