京都新聞:紙面特集

つながる美・引き継ぐ心 ――琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館 10月8日から
滋賀県立近代美術館(特集)

地域に根差す宝を守る
散華供養の花びらを盛るきらびやかな「金銀鍍透彫華籠」(神照寺蔵、平安時代作)

 滋賀県立琵琶湖文化館は文化財保護と公開などを目的に1961年3月に開設。老朽化に伴い2008年3月に休館した。休館時に約8300点だった寄託を含む収蔵品は休館後も増え、約9200点に達する。収蔵品は滋賀県立近代美術館を再整備し、2019年度に開設予定の新生美術館に引き継ぐ予定。展覧会は再整備での休館に先駆け、新生美術館への関心を高めてもらうため初企画した。

 企画展は前期(10月8~30日)と後期(11月1~23日)に分け、計75件を紹介。この中で、長浜市新庄寺町の神照寺の国宝「金銀鍍(きんぎんと)透彫華籠(すかしぼりけこ)」(直径28・2センチ)は散華(さんげ)供養の花びらを盛る法具で、宝相華唐草文(ほうそうげからくさもん)がきらびやかで美しい。平安時代作を前期、鎌倉時代作を後期に展示する。

 大津市黒津2丁目の正法寺の重要文化財「木造帝釈天立像(たいしゃくてんりゅうぞう)」は平安時代作で像高102・2センチ。理知的な表情をして頭髪を巻き込んだ髻(もとどり)を結い、右手に仏具の独鈷杵(とっこしょ)を持ち、均整のとれた姿が美しい。

 記念シンポジウム(無料)を11月6日午後1時半から開き、石丸正運・名都美術館館長と佐々木進・元栗東歴史民俗博物館館長が基調講演とパネルディスカッションを行う。10月22日と11月1、12、16日に近代美術館と県内寺社を巡るバスツアー(有料)もある。

■会   期前期10月8~30日、後期11月1~23日
■開館時間午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)
■休 館 日月曜日(ただし、祝日の10月10日は開館して翌日に休館)
■主   催滋賀県立近代美術館、滋賀県立琵琶湖文化館、京都新聞
■観 覧 料一般1100円(900円)、高校・大学生800円(600円)、小中学生600円(400円)
※( )内は前売り、20人以上の団体割引
■問い合わせ滋賀県立近代美術館 TEL077(543)2111

理知的な表情をして均整のとれた姿が美しい「木造帝釈天立像」(正法寺蔵)
ひときわ輝く千手観音を中心に、風神雷神を含め二十八の天部像を描いた「絹本著色千手観音二十八部衆像」(大清寺蔵、重要文化財、縦112・7センチ横58・6センチ)
曾我蕭白(しょうはく)の傑作で「月夜山水図」とも呼ばれる六曲一双の屏風「紙本墨画淡彩楼閣(ろうかく)山水図」(近江神宮蔵、重要文化財、江戸時代作、各縦151.5センチ横366センチ)
                    
【2016年9月30日付京都新聞朝刊掲載】

3館連携キャンペーン
会   期各館開催の期間中は利用可能
内   容佐川美術館と大津市歴史博物館は、いずれかの館の観覧券半券を提示すれば観覧料を団体料金に割り引く。
滋賀県立近代美術館はオリジナルポストカードをプレゼントする。
問い合わせ京都新聞COM滋賀事業部 TEL077(523)3134