京都新聞:紙面特集

和ガラスの美を求めて-瓶泥舎コレクション 3月18日から
MIHO MUSEUM

びいどろ 柔らか

型吹き黄色菊文鉢 江戸時代(1711~81年)

 ポルトガル語でガラスを意味する「vidro」に由来する江戸時代の「びいどろ」。日本有数の江戸ガラスコレクション180点を公開するMIHO MUSEUMの春季特別展「和ガラスの美を求めて-瓶泥舎(びんでいしゃ)コレクション-」が18日から開催される。

 日本で吹きガラスが始まったのは300~400年前。長崎・出島を通じて入ったガラス容器を、長崎の人が習って作るようになり、大坂、江戸へと伝わった。

 コレクションは、2011年4月に松山市に「瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館」を創立した大藤範里(だいとうのりさと)さん(故人)が、約50年間にわたって集めた。ガラスがまだ「超高級品」だった時代の、高い技術を持つ職人が手掛けた名品がそろう。

型吹き色替草花文三段重 江戸時代(1711~81年)

 上から緑、無色、黄色の3色のガラスを重ねた重箱は、泡と水草の柄を型吹きで表している。かぼちゃのような形の器は、材料に含まれる鉄分によって自然に出た黄色みが味わい深い。日本で初めて赤いガラスの製造に成功した薩摩切子の碗のほか、シャンデリアを日本流にアレンジしたような灯籠などユニークな逸品もある。

 特別展では「お江戸の暮らしにタイムスリップ」「日本好みのシンプルと装飾」など8章に分けて展示。和ガラスの柔らかな美しさを存分に楽しめる。

 同時に、MIHOコレクションから厳選した古代美術を紹介する開館20周年記念特別企画「古代オリエント美術の愉しみ-エジプトから中国まで-」も開催される。

型吹き紫色割瓢形徳利 江戸時代(1772~1844年)
ギヤマン灯籠 江戸時代~明治時代前期(1844~87年)
青緑色蕪形徳利 江戸時代(1772~1844年)
切子四段重 江戸時代~明治時代(1844~87年)
薩摩切子銅紅色被せ十字紋入り碗 江戸時代(1851~58年)
型吹き瓜型蓋物 江戸時代(1711~81年)
型吹き緑色菊水文蓋物 江戸時代(1711~81年)
案内
■会     期3月18日(土)~6月18日(日) 月曜休館。ただし3月20日は開館。3月21日と5月13、14日は休館。
■開 館 時 間午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)。
■会     場MIHO MUSEUM(甲賀市信楽町田代桃谷300)TEL0748(82)3411。
■入  場  料一般1100円、高校・大学生800円、小中学生300円(20人以上は各200円引き)
■主     催MIHO MUSEUM、京都新聞
■講  演  会(1)4月16日午前11時「和ガラスの美を求めて-瓶泥舎コレクション-のみどころ」東容子MIHO MUSEUM学芸員、「化学組成からみた和ガラスの変遷」中井泉東京理科大教授 (2)4月23日午後2時「びいどろの粋(いき)と美-異国の素材と和の融合」岡泰正神戸市立小磯記念美術館・神戸ゆかりの美術館館長・学芸員。
■春の夜間特別開館5月12日午後5時夕食、6時半コンサート「寄田真見乃 尺八リサイタル」一般7000円。要予約。