京都新聞
紙面特集

本多氏入封400年記念
「膳所城と藩政―築城から幕末十一烈士事件まで―」 
大津市歴史博物館

武勇と激烈な思い

近江八景図屏風(右隻)=江戸時代後期・大津市歴史博物館蔵

 琵琶湖に石垣を突き出した膳所城は、関ケ原の合戦後の1601年、徳川方の琵琶湖南端の守りとして築城された。膳所藩の領地は滋賀、栗太の2郡(現在の大津、草津、栗東市)3万石で始まり、湖西、湖北、甲賀、大阪・河内地域の飛び地も加えられ、近江では彦根藩に次ぐ6万石を誇った。

 約400年前の1617年、大坂の陣で功績のあった本多康俊(やすとし)が藩主となり、菅沼氏、石川氏に代わったあと、51年に本多俊次(としつぐ)が藩主に返り咲き、幕末まで本多氏の藩政が続いた。幕府直轄領だった商業都市・大津に隣り合う城下町・膳所を中心に、東海道、中山道を押さえ、瀬田唐橋の維持管理や、京都に近いことから御所の消防など、重要な役目を担っていた。

 幕末は、藩士の間で盛り上がった尊王攘夷運動と、譜代藩としての立場との狭間で揺れた。1865年5月、第二次長州征討で将軍徳川家茂(いえもち)が江戸から上洛途中、膳所藩の尊攘派藩士が逮捕、投獄され、5カ月後に11人が切腹、斬首された。地元で語り継がれる事件の真相は不明だが、11人は投獄中、筆と墨が与えられず、こよりを紙に貼り付け和歌や漢詩をつづり、死を前にした激烈な思いを伝えている。

 本展では膳所城や城下町、合戦時の陣立てなどを伝える屏風(びょうぶ)などのほか、藩主の御用窯として知られた膳所焼、膳所高の場所にあった藩校、遵義(じゅんぎ)堂など、教育や文化、領内の暮らしなどを紹介、膳所藩の歴史に光を当てる。

膳所藩烈士こより字短冊
=1865(慶応元)年・大津市歴史博物館蔵
膳所藩陣立図屏風
=江戸時代後期・膳所藩資料館蔵

膳所城の鯱(しゃち)瓦
=1824(文政7)年・瀬田小蔵
膳所藩主本多俊次定書
=1651(慶安4)年・個人蔵

膳所藩勤王志士血判状
=江戸時代後期・膳所藩資料館蔵
膳所鉄釉焼耳付茶入・銘童女(わらわめ)
=江戸時代前期・大津市歴史博物館蔵
案内
■会     期3月3日~4月15日 月曜と3月22日休館
■開 館 時 間午前9時~午後5時(入場は午後4時半まで)
■会     場大津市歴史博物館(大津市御陵町)
■主     催大津市、大津市教育委員会、大津市歴史博物館、京都新聞
■協     力膳所藩資料館
■入  場  料一般600円(480円)、大学・高校生300円(240円)、中・小学生200円(160円)かっこ内は前売り、15人以上の団体、大津市内在住の65歳以上の人、障害者、介護保険の要介護者か要支援者
■問い合わせ大津市歴史博物館077(521)2100