もっと知りたい京都の病院
Q&A 専門の医師がお答えします
「高齢者のうつ病」
認知症との鑑別、非常に重要
北山病院 精神科
加嶋 晶子 氏

北山病院 精神科 加嶋 晶子 氏

 原因と症状は。

 うつ病とは、一日中気持ちが落ち込んだ抑うつ気分、あるいは意欲の低下が継続して出現している状態のことです。そううつ病も含めた気分障害患者の約3割が65歳以上の高齢者で、年々増加しているといわれています。加齢に伴う認知機能やストレス耐性の低下などの心理社会的要因や大腿骨(だいたいこつ)骨折などの身体合併症、薬剤の影響などにより発症すると考えられます。症状は、抑うつ気分、意欲低下などの主症状のほかに、頭痛や倦怠(けんたい)感、食欲低下などの身体症状や不眠などがあります。高齢者では、不安焦燥感が強いことも多いです。また、高齢者のうつ病は認知症発症のリスクを高めるといわれています。

 検査と治療法について。

 うつ病が身体疾患によって引き起こされていないかどうか、血液検査や頭部CT(コンピューター断層撮影)や頭部MRI(磁気共鳴画像装置)による検査や内服薬の情報確認を行った上で、精神症状の把握に努めます。治療は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬の薬物療法と支持的な精神療法を行います。薬物療法では十分な効果を得られなかったり、高齢であるために副作用が出やすくて十分な量を使用できない場合、修正型電気けいれん療法などを検討します。

 日頃の注意点は。

 高齢者のうつ病は、抑うつ気分がはっきりせず診断がつきにくいことが多いです。認知症との鑑別診断を念頭に診断、治療に当たる必要があります。いつまでも元気がなかったり、これまでできていた活動への興味がなくなったりした場合、うつ病の可能性がありますので、専門医へ相談してください。

(c) 2002-2016 The Kyoto Shimbun Newspaper Co.,Ltd.