たぶんホノカ社の名前を知ってる人は数少ないだろう。「孤独の肖像」などノンフィクションの著作もある若手ライター中村
茂樹氏が中心になって大阪で立ち上げた小さな出版、編集会社だ。数年前、中村氏が自費出版した一行詩集「ねむるまえほん」を改訂し
たのが本書だ。
はやりの「癒し系」「励まし系」とひと括りにされそうな本で、それゆえに当欄で紹介したくはなかったのだが、あえて紹介した。が、「この本はそういう類
の本ではない」と、青筋立てて反論するつもりはない。数百部の自費出版から百万部単位のベストセラーまで量の多寡はあれ、本というのは、同一内容の印刷物
が多数の人に届けられるものであって、「自分だけの本」と、特権的な立場に立てる一人の読者はありえない。ただし、そう錯覚できるほどの本との出会いがあ
るのは幸せなことだ。評者と本書にはそういう出会いがあった。それを伝えたい。
「もしへこたれてもへこたれたまま頑張れますように」「あの子を守るために腕立て伏せを始めたこと」。本書
には、こんな一行がいっぱい詰め込まれている。本書の価値はいくら言葉を尽くしても表現しようのないところにある。ただ、ことあるごとに思い出
す一行がある。探せばすぐ分かるところに置いてある。友達にも家族にも照れくさくて見せたくない。そういう本だ。
著者への敬意を表して、この一行をあなたに贈りたい。
「あなたと本書に幸せな出会いがありますように」
本書はホノカ社のホームページから購入可能。ホノカ社http://www.honokasha.jp/index.htm