Kyoto Shimbun インタビュー

  イントラネット
  業務プロセス効率化 

オムロン技術本部IT研究所長  増田 清さん

 インターネットが急速に社会生活に浸透し始めている。特に企業にとっては「時代に乗り遅れては」との危機感から遮二無二インターネットを導入している向きもあるようだ。そんな中で、これを企業戦略や業務プロセスの見直しに役立てようとする動きも出て来た。インターネットを企業内の通信網に利用した「イントラネット」である。京都でいち早く産業情報化に取り組んだオムロンIT研究所長の増田清さんに、インターネット最前線を聞いた。


イントラネットとインターネットは、どう違うのでしょうか。

 インターネットの技術、やり方を企業内の情報通信網として利用するシステムがイントラネット。「イントラ」というのは「内側」という意味です。従来の企業内通信網(LAN)は、専用ソフトが必要で、専門的な業務を処理する特殊な道具に甘んじていましたが、イントラネットならインターネットと同様に社内全体で情報交換できます。ウインドウズで世界を席巻した米国のビル・ゲイツ氏が昨年6月ごろから言い出し、日本では今年に入ってから、急速に普及し始めました。

社内版のインターネットですか。

 もともとは社内の連絡をインターネットで行うというだけのものでしたが、私はマネジメント(経営管理)を意識している場合をイントラネットと考えています。インターネットは、すべての構成員が平等で、個人間で情報交換し、情報を共有する平坦で開かれた世界を前提にしています。ところが企業はピラミッド型の組織。この異なる二つをいかに融合させるかにかかっているわけです。単なる社内インターネットなら、連絡事項を紙でやるか電子メールでやるかの違い程度のことになり、企業にとってそれほど大きな意味はありません。

イントラネットの構築は企業の組織論にかかわってくるのですか。

 業務や指揮命令系統を従来のままでインターネットを使っても、それほど生産性の向上などで効果は上がりません。情報技術を使うために積極的に業務プロセスを変えるという発想が必要。例えば、これまでいくつもの印鑑を押して決済し、その報告が全員に回覧されるまで1カ月程度かかっていましたが、イントラネットを使えば1日で終わります。決済方法も、通常業務なら起案・作成者と直接の上司、最終決済権限者の3人で十分。情報を共有化できるから、もし間違いがあればだれかが指摘できる。ただし仕事について、それぞれが目標管理をきちっと行うことが前提です。

オムロンでは、いつから取り組み始めたのですか。

 オムロン・インターネットが始まったのが87年。1人1台のワークステーション環境を整え、本社や研究所、工場など国内30拠点でイントラネットが使えるようになりました。一部の管理職は、自宅からでも印鑑なしで書類決済する「在宅勤務」を実験的に行っています。

イントラネットは、今後どう広がっていくでしょうか。

 イントラネットの延長にはバーチャルコーポレーション(仮想企業)が考えられる。開発する商品ごとに社内外の人材を募り、情報ネットワーク上に仮想の作業空間を作り上げ、その中で企業連携を機動的に行うという形態です。インターネットは、人々の関係や習慣、組織などを変えていくでしょう。単にパソコンのハード面だけでみると誤解することも。経営トップがまず理解することが大切だと思います。


▲インターネット・インタビュー▲