(四の四)



 伏見稲荷大社

 やがて商売繁盛の神様として全国に知られる伏見稲荷大社が近づいてくる。

 先の伏見人形も、伏見稲荷大社への参けいのお土産として売られていたものだった。正月には初もうで大いににぎわう。





 ランプ小屋

 この伏見稲荷大社の前に、JR奈良線の稲荷駅があるが、その一角にいかにも古そうな 赤レンガの建物がある。日本最古の鉄道関係の建物で、かつて奈良線が東海道線の一部で あった明治時代に建てられたランプ小屋。

 明治13年(1880)、東海道線が初めて京都−大津間で開通した当時、東海道線の路線は、現在の奈良線のルートを通って稲荷までやって来て。ここから東にカーブして山科へ、そして山科駅から再び北上して、大津市の現在の京阪電車大谷駅の近くにあった大谷駅、さらに逢坂山トンネルを抜けて大津へという迂(う)回ルートをとっていた。





 元橦木町遊廓の石柱

 さて、もう伏見の町が近くなってきた。かつて遊廓としてにぎわった橦木町の入口の石柱が道の右手に見えてくる。この町はT字路になっており、鉦を叩く橦木の形に似ていたので、この名前が付けられたという。ここは、忠臣蔵で有名な大石内蔵助が、同志たちと密議をこらした所としても知られている。映画では祇園の一力で豪遊したように描かれているが、実際に密議などで使ったのは、この橦木町だと言われている。

 ここはもう、伏見城下町の北のはずれ。国道24号を渡ると、この街道は京町通と名前を変え、伏見の町を縦断して大和へと続いている。



▲伏見街道▲