(五の五)



 永観堂

 哲学の道は熊野若王子神社で終わっているが、もう少し歩いてみる。突き当たりを右に折れ、鹿ケ谷(ししがたに)通に入ると、永観堂(えいかんどう)の門前に差しかかる。

  永観堂は浄土宗西山禅林寺派の総本山で、今から1100年ほど前、弘法大師空海の弟子・真紹(しんしょう)が一堂を建て、真言宗の道場としたのに始まると言われている。浄土宗に変わったのは、それから 200年くらい後のことで、第7世の住職・永観(ようかん)が本尊を阿弥陀如来とし、浄土宗の念仏道場とした。この阿弥陀如来像は少し変わっており、後ろを振り返る姿をしていることから、「見返り阿弥陀」と呼ばれている。





 南禅寺

 最後に南禅寺へ。同寺は臨済宗南禅寺派の総本山で、文永元年(1264)、亀山天皇が母大宮院の御所として営んだ離宮が、そのもととなっている。後には室町幕府の保護を受け、禅宗京都五山の筆頭寺院として勢力を持った。境内には、重要文化財に指定されている立派な三門や勅使門、国宝の方丈など数多くの文化財がある。また、方丈の枯山水庭園は国の名勝に指定されている。




 水路閣

 この広大な境内の一角に、近代的な建築物がある。疏水の支流を通すためのレンガ造りのアーチ式水路がそれ。明治23年(1890)の疏水開通に先立つこと2年前の明治21年(1888)に造られたもので、このアーチの上を疏水が流れている。高さは約13メートル。京都の近代の発展を支えた縁の下の力持ちとして、京都市指定の史跡となっている。


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