Kyoto Shimbun 1997.9.10 [かくれ名所案内]

 米穀店に「手道具館」  職人の技 魅力伝えたい
 金づち、カンナ、墨づぼ…1500点

壁一面に展示された古い道具と鷲尾さん
 金づちやカンナ、墨つぼ、手動のバリカンなど、幅広い職人の仕事で使われてきた古い道具を集めた「蘇(よみがえ)る匠たちの手道具曼荼羅館」が、京都市左京区仁王門通新間之町上ルの米穀店「新洞食糧老舗(ろうほ)」内でオープンした。「少なくなりつつある職人道具の魅力を知って」と、同店主が設ける私設展示館で、壁一面に懐かしい道具が並ぶ。

 開設したのは、鷲尾賢一さん(57)。展示する道具は、東山区で古物商を営む川那部又四郎さん(83)が戦後から趣味で集めてきたコレクション。川那部さんは高齢になったため、「道具を守り、志を継いでくれる人に」と、以前から知り合いだった鷲尾さんに道具を譲った。

 鷲尾さんは十年ほど前に、米づくりの苦労や大切さをアピールするため、古い農具などを並べた「お米の歴史資料室」を店舗内に開設。職人の道具も展示し、京都の伝統産業を支えた誇りを身近に感じてもらえたらと、「曼荼羅館」を設けることにした。

 同館は店舗になっている江戸期の米蔵の二階で、八畳二間ほどのスペースに約千五百点を並べる。宮大工や指物師、表具師らが使った道具などのほか、木製の氷かき機や五つ玉のソロバン、象牙のコンパス、手動のバリカンなど、今では珍しい品々も。

 道具の説明文を添えるほか、海外からの旅行者や留学生にも見てもらおうと、インターネットのホームページで紹介する準備もしている。

 鷲尾さんは「道具には、大事にしていた職人の誇りが伝わり、見ていてあきがこない。昔の生活や仕事に思いをはせてほしい」と話している。入場料は高校生以上二百円、小・中学生百円。問い合わせは新洞食糧老舗 電話075(771)2919へ。


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