Kyoto Shimbun 路上ウオッチング

 色鯉が泳ぐトイレ

 なんとも、奇妙なトイレだ。ガラス張りの床の下が池になり、赤、白、斑(まだら)の色鯉(ゴイ)十数匹が蛍光灯に照らし出され、優雅に泳ぐ。用を足していても、足元の鯉は「われ関せず」。

 「金鯉(きんりん)亭」と名付けられた名物トイレは、料亭の大江戸本店別館(京都市下京区)にあり、広さは約四平方メートル。入り口側が男性用で、陶器製の便器が二個備え付けられ、奥側の女性用には床の中央に便器が埋め込まれている。

 木製の引き戸など純和風式。豪華な気分にさせてくれるトイレに、しばらくたたずんだまま出てこない客も。「でも、女の方は、恥ずかしいわ、とか、途中で用が足せなくなる、とおっしゃる」と、店員さん。もちろん、同店には普通のトイレもある。

 色鯉の泳ぐトイレは、亡くなった先代が三十五年ほど前に造った。「先代のおやじは、食べ物屋は清潔でなければいかん、とつねづね言っていました。このトイレも、そんな気持ちから造ったのでしょう」と現社長の植村友治さん(64)。

 毎朝の清掃はもちろん、池の底も月に一回は水を抜いてそうじするなど、大切にしている。



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