The Kyoto Shimbun
グループホーム調査 経済的理由で退去者目立つ
認知症高齢者グループホームの運営主体別利用者の自己負担総額
認知症高齢者グループホームの運営主体別利用者の自己負担総額(月)=国民生活センター調べ:クリックで拡大表示

 認知(痴呆)症の高齢者が共同生活するグループホームで、利用料などの負担に耐えられずに退去する人が全体の3割近くにのぼることが、国民生活センターの全国調査で分かった。今秋から施行される介護保険改正法は、特別養護老人ホームなどでも居住費や食費などの負担を新たに求める。高齢者介護を取り巻く環境は一層厳しくなりそうだ。

ホテルコスト徴収
 調査は昨年10月に郵送で行われ、全国1493のグループホームから回答があった。

 グループホームは介護保険上は「在宅サービス」とされているため、通常の利用料負担(1割)のほかに家賃や食費(ホテルコスト)が合わせて徴収される。月額にすると、2万円未満から20万円以上と施設で幅があり、調査では平均13万円だった。

 これは特別養護老人ホームの相部屋利用料の約2倍にあたり、知的障害者や精神障害者のグループホーム(平均約5万円)と比べると倍以上の開きがある。

 調査に答えた9割以上の施設で過去3年間に死亡以外の退去者があり、理由(複数回答)は「病気治療」(73・9%)に次いで、「利用者・家族の経済的理由」(27・0%)が多かった。

 国民生活センターの木間昭子調査室長は「グループホームに関するセンターへの相談の8割が、入居金など金銭トラブル」とし、「認知症ケアの切り札として急増したグループホームだが、経済的に一定の余裕がある高齢者しか入れないのが実態」と指摘する。

認知症高齢者グループホーム退去直後の生活の場
認知症高齢者グループホーム退去直後の生活の場(国民生活センター調べ):クリックで拡大表示
急増、質の格差も
 介護保険のスタートで、この4年間に20倍以上(約6300カ所)に増えたグループホーム。それだけに「介護の質」の格差は大きい。

 調査では退去理由の3番目に「大声や暴力など他の利用者が迷惑したため」(22・9%)との答えが上がった。京都市のあるケアマネジャーは「問題行動が多く、世話のしにくい高齢者をすぐ退去させたり、入れたがらないグループホームがある」と打ち明ける。

 一方で「少人数で暮らすので、すぐ怒る人が1人いるだけで雰囲気がギスギスする」(京都市内の施設職員)という難しい現実もある。

 調査では、退去直後に利用者が特養ホームに移ったと答えた施設も半数近くに上る。大津市のグループホーム施設長は「経済的負担が小さい特養ホームに入るまでの『待機場所』になっている面は否定できない」と証言する。

行き場なくす高齢者
 今秋から順次施行される介護保険改正法では、特養など「施設サービス」もグループホームと同様にホテルコストを徴収する方針を盛り込んでいる。特養の場合、利用者の費用負担が平均で月約3万円増になるとされている。

 京都市内の特養施設長は不安を隠さない。「具体的には試算していないが、負担に耐えられない人が続出する可能性がある。減免などの丁寧な措置がないと、行き場をなくす高齢者も出かねない」

[京都新聞 2005年6月18日掲載]

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