●No.018



『現代若者京ことば訳「落窪物語」』
http://suzu.cside.com/ayasuzudo/

綾大 鈴さん

滋賀県大津市

 普通の女の子も活躍にひかれ
 「平安の昔のころのお話や。中納言さんで、娘さんがぎょうさんいはる人がいはってん…」
 継母によって落窪(おちくぼ)に押し込まれた娘・落窪の君が、侍女阿漕(あこぎ)の手引きで左近少将に助け出され、幸せな生活に入るという平安初期の物語「落窪物語」。この継子いじめ物語の先駆ともされる平安時代のストーリーを、今の若者が使う京言葉で翻訳、メールマガジンにして3年前から配信している。
 中学、高校時代、授業で古典を習った時、文法は苦手だったが、いざ声に出して読んでみると、内容がすっと頭に入った。「たまたま原文が平安時代だったということもあるのでしょうが、普段使うイントネーションに物語を乗せてみると、面白く思えたんです」。家族や仕事場にも内緒で発行していることから、似顔絵で登場してもらうことにした。
 源氏物語や竹取物語でなく、落窪物語を選んだのは、取り上げているホームページが少なかったのに加えて、侍女阿漕にひかれたから。「お姫さまだけでなく、普通の女の子の侍女も活躍しているところが面白くて。強くて、仕事もてきぱきしていて今どきの女の子と変わらない」。現代風の心理描写とやさしい言葉遣いが功を奏し、中学生や大学生などから返事のメールも寄せられている。
 「難しいと思われがちな古典が、ちょっと言葉を置き換えるだけで、ぐっと身近で面白くなる」。物語は全4巻あり、現在は1巻目の途中だが、時間をかけて最後まで続けるつもりだ。

2003.6.2

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