●No.070



「京菓子通信」
http://www.kanshundo.co.jp/museum/magmag.htm 

木ノ下 千栄さん

京都市東山区

  和菓子でつづる京の歳時記
 正月に食べる「花びら餅(もち)」、サクラが咲いたら「桜餅」、6月末には白い外郎(ういろう)に小豆を乗せた「水無月」で無病息災を祈って-。季節の和菓子のよもやま話や用語解説に加え、三大祭など京の年中行事や古くからの習慣を、ほぼ月1回のペースで配信している。京の1年を和菓子でつづる歳時記としても楽しめるメールマガジンだ。
 木ノ下さんは、江戸期から続く和菓子店の6代目当主の長女。職人として老舗ののれんを背負って立つ父の姿を見て育ってきたが、留学先のアメリカで日本文化についてスピーチを求められた時、よく知っているはずの和菓子のことさえ、きちんと説明できなかった。「これではいけない」と勉強するうち、和菓子には一つひとつにさまざまな物語や願いが込められていることを知った。例えば、6月の「水無月」が三角形なのは暑気を払う氷を意味し、上に乗った小豆には悪魔を遠ざける力があるという。「知っているようで知らない和菓子。和菓子職人の娘として菓子の向こうに広がる物語も伝えていくべきだと思った」。
 2001年9月の創刊当時、200人程度だった読者は、3年足らずで約2700人に。今年5月からは、家庭での和菓子作りに役立つレシピの連載も始めた。「和菓子にはどうしても高級なイメージがあるけど、かつては家庭で作られていた。もっと楽しんで食べてもらえるように情報を発信していきたい」。アメリカやブラジルなど海外在住の日本人や外国人からの問い合わせも増えているといい、英語版メルマガの創刊も検討している。

2004.07.20

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