●No.078



「はい、銀ちゃん便利堂です」
http://www.gin-chan.co.jp/mailmaga/index.html" 

田中 直子さん

京都市左京区

  老いを受け入れ生き生きと暮らすお年寄りを描く
 リハビリ通院用にピンクのセーターを選び、つめには真っ赤なマニキュア、きちんと化粧をしてから外出するTさん。ヤンキースの松井秀喜外野手の活躍を見て野球に興味を持ち、ルールを勉強し始めたという83歳のAさん−。
 毎月1回、25日に配信されるメールマガジンには、老いを正面から受け止め、動かなくなる体、衰えていく機能におびえることなく、生き生きと年を重ねるお年寄りの姿が描かれている。「老いは突然やってくるのではなく、今の生活の延長。なのに、若い世代には『自分たちとは別次元の話』と切り離して考える傾向がある。元気に暮らすお年寄りの日常が伝われば、年をとることへの実感もわくのではないかと思った」。仲間8人と、上京区で福祉用品店を営む田中さんが、スタッフらとメルマガを創刊したのは2002年7月。開店から14年、当時30代前半だった仲間たちも中年と呼ばれる年代になった。「これからどんな風に生きていくのか考えた時、店で出会った素敵なお年寄りのことを思い出して気が楽になった。『あんな風に年をとれたら』と思える人をたくさん見られたことが店を続けてきた財産」と振り返る。
 タイトルとなっている店の名前「銀ちゃん」は、高齢者を意味する「シルバー」から。問い合わせや注文の電話など、店でお年寄りと最初に交わす言葉から名付けた。「自分自身、以前は年を重ねることをどこか他人事のように感じていたが、お年寄りと接する中で変わってきた。年齢を増して変わっていく自分の気持ちや考え方を書き留め、老いの記録としてつづっていきたい」

2004.09.14

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