●No.080



「京のおかし歳時記」
http://www.nakamuraken.co.jp/mag.html 

中村 優江さん

京都市西京区

  生粋の京女がつづる京の習わし
 京都市中京区から京菓子の老舗に嫁いで30年−。生粋の京女が、市民の暮らしに今も息づく言い伝えやしきたりを月ごとの和菓子にからめて紹介する。「節分までに餅(もち)を9個配って苦をもらってもらう」厄除(よ)けの習慣や、方違(たが)えなど独特の習わしを京都弁でつづり、「長く住んでいても知らなかったことがわかり、あらためて京都への愛着がわいた」と人気を集めている。
 中村さんは創業120年を数える和菓子店の4代目当主の妻。2000年11月、店がホームページを立ち上げたのを機に、京都の歳時記をたどるメールマガジンを創刊した。「嫁いでからのこの30年ほどでも、古くからの習慣がどんどん廃れてきている。昔を知る人には思い出してもらい、初めて知る人には受け継いでもらえるよう書き残していかなければと思った」。
 子どもの1歳の誕生日に1升分の餅を背負わせる「一升餅」、四十九日の法要の際に小餅を49個並べて傘形の餅をかぶせる「傘の餅」など姿を消した習俗は多く、餅の注文件数も1970年代をピークに激減した。「祭やまじないの風景は、幼いころの思い出につながる。自分自身、忘れてしまわないうちに書き留めておきたかった」と話す。
 毎月1回配信し、読者は約1000人。記事が京都弁で書かれていることへの反響も大きく、「京都の香りがする」と創刊時の10倍ほども増えた。「風習だけでなく、京言葉もまた失われつつある。多くの人に触れてもらう機会を増やすためにも、息長く連載していきたい」。

2004.09.28

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