●No.088



「魔界京都の不思議話と電脳露天商のアロハ太閤記」
http://www.tamanegi.com/merumaga3.html 

川添 貴之さん

京都市中京区

  今に伝わる都の「こわい話」を配信
 平安中期の武士渡辺綱が鬼を退治した「一条戻り橋」の伝説、夫に不貞をはたらかれた妻が悔しさのあまり地蔵にかみつき、そのまま息絶えたという「歯形地蔵」の話など、京の街に残る怖い話、不思議な話をメールマガジンで配信している。読者は現在約700人。地元からの反響も大きく、「家のすぐ近くにそんないわれがあったなんて」と驚きの声を寄せる人もいるという。
 川添さんは、友禅染アロハシャツの製造販売事業者。京都観光への人気が高まる中、名所巡りに役立つメルマガを出そうと2002年6月に創刊した。「何百年も続く伝統産業を現代風にアレンジする視点で今の仕事を始めたように、何をするのでも少し見方を変えたところから始めたい。よくある観光情報誌にはしたくなかった」と話す。
 メルマガに載せる話は、主に郷土史の史料から。集めた史料に目を通してみて、圧倒的多数が怖い話、悲しい話であることに気付いた。「伝奇物語の多くは、口伝えで残ってきたうわさ話。いつの世も、うわさ話は明るい話題より暗い話の方が盛り上がる。人の心に闇へのあこがれがあるように、怪奇めいた話、悲惨な話の方が記憶に残りやすいのかもしれない」。
これまで30号のメルマガを配信。郷土史を調べるほど、長年住んでいても知らなかった伝説が見つかり、当分、ネタのストックは尽きることがないという。「観光名所にまつわる伝説ではなく、何気ない街角に眠る言い伝えや、時の流れの中で忘れ去られ、思い出してもらうのを待っているわがまちの物語を掘り起こし、伝えていきたい」。(おわり)

2004.12.07

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