Kyoto Shimbun

習熟度別 友だち同士学び合える

 3年生の教室で九九を使った割り算のまとめが始まった。先生は黒板に「ホップ1→ホップ2→はってん1→はってん2」と書き、ホップ1のプリントを全員に配る。「できた人は答え合わせをして、次のプリントに進んで下さい」。先生の声を合図に子どもたちは鉛筆を走らせる。

3年生からは「水遊び」でなく、自分で目標を考える「水泳学習」に変わる

 先生は教室内を回り、気になる子どもの手元をのぞく。その1人、ユミ=仮名=は「式が32÷8になる問題をつくりましょう」という文章題で、「32個のみかんを8個弟に分けてあげたら何個になるでしょうか」と書いた。別の2人も引き算と間違えていた。先生はユミたち3人を集め、数学的な考え方が身につくよう、割り算と引き算の違いを根気よく説明し続ける。

 一方、アキ=仮名=ははってん2のプリントに進んでいた。九九にない数字の割り算がずらり。学習指導要領を超える「発展的内容」は、昨年度から、小学校教科書に加わった。アキは初めて見る問題に驚き、同じはってん2のプリントに進んでいた友だちと一緒に考え始める。

 45分間、全員がそれぞれの力に応じ、違った課題に向かう。一つの教室で習熟度別の形態が自然に成立していた。

 水泳の授業でもそうだった。先生の指示で、子どもたちは自分のレベルを判断し、水に浮くだけの手のび、バタ足、クロールのグループに分かれる。先生は手のび組に付きっきりで、子どもを絶えず励ます。バタ足とクロール組は、子ども同士で泳ぎをチェックし合い、練習を続けた。

 習熟度別の授業で先生は常に、学習スピードが遅い子どもたちに寄り添う。それ以外の子どもたちには、必ず友だちの助けがあった。「教師がきっかけを与えてやりさえすれば、子どもは子ども同士で学び合えるものなんですよ」(文中敬称略)

[2006年7月28日掲載]