Kyoto Shimbun

多くの目 課題把握、多様に指導

 太秦小では3年前から、高学年に「教科担任制」を採用している。6年生の場合、学級担任を含め、8人の先生から指導を受ける。小学校のうちに中学校の授業の形に慣れさせる狙いだ。

6年生の授業。算数の教科担任とクラス担任の2人が教室に立つ

 高学年の子どもたちを見ていると、先生によって言動が微妙に変わるのがわかる。敬語を使う頻度や授業中の私語、先生に対するスキンシップの求め方…。先生の周りに集まってくる子どもの顔ぶれも変わる。

 高学年になると、女の子は小さなグループで行動することが多くなる。行動や持ち物まで友だちと合わせようとする半面、遊びに加わらない子は排除の対象になりがちだ。クラスの男の子と女の子の間に溝ができると、その傾向は強くなり、攻撃は立場の弱い子に向けられる。若い男性担任からは「ひいきと見られないよう、公平に対応するのは難しい」との声も聞かれた。

 校長は「子どもを多くの目でみる教科担任制だと、課題が早めに教師のネットワークに入ってくる」と話す。

 児童1000人のうち、750人が取り組む部活動も学級担任以外の先生が指導にかかわる場面だ。

 ある先生は以前、気になる子を陸上部に引き込んだ。常に言葉をかけて励まし、自信をつけさせた。すると、担任の見方が変わり、その子のクラスでの立場も変化したという。

 課題もある。担任が自宅まで迎えたり、教科担任制や部活動で何とか学校とつながっていた子が、中学校に進学すると適応できず、不登校になるケースがあるからだ。同じ教科担任制でも、高校受験中心の中学校とではギャップがある。「手取り足取りし過ぎていないか」「甘さが弱さになっていないか」…。先生は自問も繰り返している。

[2006年8月8日掲載]