Kyoto Shimbun

ケータイ メールでけんか 誤解も

 やれるだけのことは、やった。いよいよ、これまでの成果を発揮する時が来た。

 秋の最大イベントである学校祭の初日。3年男子のシン=仮名=は、クラス合唱の指揮者として、合唱コンクールの舞台に上がった。

パソコンを使ってリポートを書く。ノートに文字や絵を描くように使いこなす

 2年女子のリコ=仮名=は昨晩、お母さんとけんかした。期末テスト前に夜遅くまでテレビを見ていて勉強しなさい、と言われたことがきっかけだ。「『言われんでもやる』って送ってやったねん」。「送って」という言葉が引っかかった。「うち、携帯メールでよくけんかするねん」

 平成生まれの中学生たちには、生まれた時からパソコンや携帯電話が、当たり前のように身近に存在している。「半分以上が自宅でインターネットを利用している。IT(情報技術)機器は、筆箱やノートと同じ感覚のようだ」。情報モラル教育を担当する技術家庭科の先生は言う。学校は携帯電話の持参を禁じているが、高学年になるほど所有率は高い。

 「帰ったら、メールするわ」。生徒同士も頻繁にメールをやりとりしている。昔のように電話で話すことは意外と少ない。「電話は(料金が)高いし、メールやったら、相手の時間を気にせんでいい」という。クラスや部活でのうわさ話が、短文や絵文字で飛び交う。ところが、「そのメールで、友人関係が気まずくなるケースが多い」と、先生は指摘する。

 昨日まで仲の良かった生徒が急に無視し合っていることがある。前夜の顔の見えない文字だけのやりとり。どんな感情のもつれがあったのか当事者にしか分からない。「メールでの密室的なやりとりが増えたことで、不仲の理由をたぐるのが難しくなった」と先生たちは口をそろえる。

 メールやインターネットの利用マナーを学ぶ情報モラル学習は、1年の技術家庭科に4時間あるだけだ。「IT機器に関しては、生徒の知識が教師を超えることもある。使い方をマスターするスピードに、モラルがついていかない」。便利さは、教育現場に新しい課題を突きつける。

[2006年10月19日掲載]