Kyoto Shimbun

グループ 何より優先、悩みにも

 「リサちゃん、最近学校で元気がないけど、何か言ってますか」。新学期が始まって間もない5月、3年女子のリサ=仮名=の母親は教頭先生から話しかけられた。思いも寄らない指摘だった。

体育大会の練習の合間。すぐに仲のいいグループができた

 家では、部活動など学校の出来事をよく話していた。落ち込むようなそぶりは全くなかった。なぜなのか分からない。思い切って尋ねた。「どうしたん? なんかあったん?」。途端にリサはわっと泣き出し、胸の内を話してくれた。

 3年になってクラス替えがあり、仲の良かった友達と離れてしまった。新しいクラスにも友達はいるが、心を許せる相手が近くにいなくなってしまったという。「ふっと見たら、自分一人だった」。そんな意味合いの言葉が、泣き声混じりにこぼれた。

 授業の合間や昼休みに、クラスでは決まったグループができる。特に女子のつながりは強い。かばんには、一体感を示すように、同じアニメキャラクターの縫いぐるみをぶら下げ、昼食もトイレも一緒。主な話題は好きな男の子だ。何よりも友達関係が優先するだけに、何かのきっかけでグループから外れてしまった子の衝撃は、大きい。

 しかし、思春期を迎えた中学生にとって、悩みを親や教師に言わないことが一つの「誇り」になっている。特に友達関係のトラブルは察しにくい。「どんなサインで子どもの異変が分かるのかとよく聞かれるが、パターンはない」。ベテランの先生にも正解はない。「異変をキャッチできた時に、誇りを傷つけないようにそっと支えてやればいい」

 リサはその後、クラスの友達から「一緒にいよう」と手紙をもらい、今は元気に学校生活を送る。「もう大丈夫」と、母親は感じている。

[2006年10月20日掲載]