Kyoto Shimbun

少人数学習 苦手な数学おもしろい

 初めての期末テスト勉強から解放された1年生男子に、中学のどの教科が好きか、聞いてみた。「技術がいい。パソコンを使えるし、木とか電気部品で、いろんなもの作れるし」「問題を解かんでいい体育かな」。実技系が人気を集める中、シュウ=仮名=からは「オレ、ちょっと数学がおもしろくなってきたねん」という答えが返ってきた。

少人数制で学ぶ1年生。先生だけでなくクラスメートとの距離も近い

 小学校では算数が得意ではなかった。終わったばかりの期末テストでも「数学はそんなにできひんかった」。苦手意識があり、少数や分数が問題に出てくると「何をどうやってんのか、自分でもこんがらがる」。ところが最近、先生に質問するたびに「こんがらがった」頭が整理され、数学への抵抗感が少しずつ薄まっていることに気づいた。

 シュウのクラスは全員で37人だが、数学は半分の人数で授業が行われる。先生の目が生徒一人一人に行き届き、生徒も先生に尋ねやすい。「きめ細かな指導をすれば、じっくりと問題に向かわせることができる」。先生も手応えを感じている。

 「ゆとり教育」で授業時間数が減らされ、九九など基礎が身に付いていない中学生が増えた。「数学が苦手な子は、自分で考える前にすぐに答えを聞いてしまうことが多い」。限られた時間で、生徒たちが「分かった」と実感できるまで待てない教師側の姿勢も「ゆとり」の弊害ではないか−。先生は自問もしつつ、生徒の意欲を高める少人数学習の効果に期待する。

 シュウの学校では習熟度別ではなく、単純に名簿の前半、後半で分けた少人数制をとっている。多様な学力の生徒たちが学び合う体験をしてほしい、という先生の思いからだ。「オレもクラスのやつに聞かれることがあんねん」とシュウ。それも数学が面白くなってきた理由の一つだ。

[2006年10月31日掲載]