Kyoto Shimbun

PTAの挑戦 学校 家庭の橋渡し役に

 保護者からどんな反応があるだろう。何個の玉が戻ってくるのか。ひょっとしたら目標を大きく下回るかもしれない…。PTA会長の心は期待と不安でいっぱいだった。

 学校祭最終日の体育大会。クラス対抗で盛り上がる学年種目に、今年の2年生は「玉入れ競技」を選んだ。

集まった手縫いの玉が、秋晴れの空に舞った

 しかし、学校には、玉入れの道具がない。昨年も玉入れはあったが、近くの小学校から道具一式を借りた。秋は、どの学校も体育大会があり、練習、本番と頻繁に借りては迷惑がかかる。学校が玉入れ用の玉を買おうとしているのを聞いたPTA会長は、「保護者で手分けして作ろう」と、とっさに提案した。

 既製品を買えば1個150円かかる。でも、お金の問題というより「保護者みんなに学校の活動、PTAの活動にかかわってもらういい機会なのでは」と考えたからだ。

 登校時間のあいさつ運動や、校地の草刈りなど、PTAが呼び掛ける活動は幾つかある。だが、参加するのは、たいてい、役員を引き受けた保護者ばかり。「地域に密着した小学校と違い、中学校は少し遠い存在。私も役を持たなかったら、3年間、学校とかかわらずに過ごしたと思う」。玉を作ることで、子どもが通う学校に少しでも関心を寄せてもらえたら…。

 役員数人とともに玉の大きさに切った生地と糸、作り方をセットにし、全300世帯に配った。目標は1世帯2個で600個。数日後、職員室に置かれたビニール袋に赤、黄、青の玉が入り始めた。

 そして2週間後、750個以上が集まった。手縫いだから縫い目はふぞろいだ。父親が縫ってくれた玉もあるのだろう。さまざまな家庭の姿が見えた。肩の荷を下ろしつつ、「学校とかかわりたいと思っていてもきっかけがないだけなのかもしれない」

[2006年11月1日掲載]