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古くから庶民の日常食
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「ぬか漬けが上手につけられるのがよい嫁の条件」などといわれた時代は、とっくに過ぎ去りました。最近は、ぬか床をもつ家庭を探すことさえ、難しくなってきているのではないでしょうか。ぬか漬けの味が「おふくろの味」と感じる人も、今ではきっと少数派に違いありません。
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| 昭和6年ごろの「漫画旅行日本全図 第六図」。全国各地の名産品が描かれ、京都は地図中央の聖護院かぶに「千枚漬の素」と書かれている(ケンショク「食」資料室蔵)
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家庭の台所からぬか漬けのにおいが消え、時代とともに漬物離れが着々と進んでいるようです。でも、韓国のキムチなどが若者に受け入れられ、次々とキムチ味の食品が発売されているのを見ると、むしろ漬物に求める味覚が多様化しているといったほうがいいのかもしれません。
日本は漬物の種類が豊富な国です。塩漬け、ぬか漬け、みそ漬け、かす漬け、しょうゆ漬け、酢漬け、カラシ漬け。漬け方だけでもこれだけ多彩ですから、種類をあげればきりがありません。ルーツをたどると古代までさかのぼりますが、もともと野菜類を保存するため塩漬けなどが考案され、さらに発酵によって生じる奥深いうまみが見いだされたことで、独自の食品として発展してきたようです。
「漬物」という言葉がはっきり文献に登場するのは平安時代です。宮中の儀式などについて書かれた『延喜式』に登場します。「香の物」という呼び方はさらに後で、室町時代あたりからだといわれています。
すぐきなどのように、上流階級だけが味わった特別なものもありましたが、ふつうは庶民も日常的に食べていました。元禄期の『本朝食鑑』には「一飯一汁におかずがない時は香の物で食べる」とあります。漬物といえば、家で自給自足が当たり前だった時代ですが、すでに京都では漬物屋が存在していました。町人が多く住む大都市ならではの商売だったかもしれません。ダイコンやカブの塩漬けを扱うためか、関西では「茎屋(くきや)」と呼ばれていたようです。
近年では漬物に含まれる乳酸菌の健康効果が取り上げられたり、サラダ感覚の漬物が好まれたりしています。長い間、中心的食材として活躍してきたダイコンに加え、トマトなど明治以降に導入された西洋野菜の新しい漬物も誕生しています。
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