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コミュニティ・コンビニ整備へ 過疎地、負の連鎖阻止期待

報道部 笹井勇佑
コミュニティ・コンビニとなる道の駅の開業に向け、関係者と準備作業を進める公共員の山アさん(右端)=南山城村
コミュニティ・コンビニとなる道の駅の開業に向け、関係者と準備作業を進める公共員の山アさん(右端)=南山城村

 京都府は、過疎高齢化が進む地域の生活を支えるため、買い物や金融・郵便、公共サービスなどの機能を集約した拠点「コミュニティ・コンビニ」の整備や、担い手となる「公共員」の配置に乗り出した。府内4カ所を拠点施設に決め、本年度は市町村と連携しながら必要な機能の検討を進めていく予定だが、住民の合意形成や民間の参入促進など越えるべきハードルは多い。

 コミュニティ・コンビニは、政府が2020年時点で全国千カ所の設置を目指す「小さな拠点」の京都版。日常生活に必要な公共・民間サービスを1カ所で受けられるようにする仕組みで、移動が困難な高齢者に配慮し、アクセス可能な交通網を整備したり、配達サービスも備えることを想定している。

 これまでに、福知山市の三和町農業振興センターと、南丹市の日吉胡麻コミュニティセンター、木津川市の加茂支所、南山城村で来春開業予定の道の駅を拠点に指定。19年度までに機能整備を完了する計画だ。

 必要な施設改修や機能確保は、市町村や住民が中心となって検討していく。府は補助金など財政的な支援を行うほか、「半官半民」の立場から地域課題の解決を図る非常勤職員の公共員を各拠点に1人配置する。7月からは福知山市と南山城村で公共員が活動を始め、本年度内には残る2カ所にも配置する予定という。

 南山城村の公共員は地元在住で、IT技術を生かして和束町の茶生産販売会社などで働く山ア洋平さん(32)。同町の地域イベントにも携わった経験があり「なりわいや課題は共通。経験を生かしたい」と公募に応じた。現在は道の駅の拠点化に向け、日用品や特産品の販売・配達事業の準備を進めているといい、「道の駅で村の魅力を発信して収入を確保し、持続可能な福祉や買い物支援につなげられるような仕組みを作りたい」と意気込む。

 具体的な事業の検討に入っている地域がある一方、南丹市は、これから住民との話し合いに着手する。「地域には昔から暮らす住民と、最近移住した人が混在している。合意の形成を丁寧にしなければならない」(地域振興課)といい、多様なニーズをくみ取った上で必要な機能について本年度中に検討する。

 住民生活を支える民間サービスをどう取り込めるかも課題だ。木津川市は地域の福祉・商工団体と活性化に必要な機能を検討していく考えだが、担当職員は「民間企業の参入と、こちらが求める機能とをうまくマッチングさせるのは簡単ではない」と語る。

 過疎高齢化が住民生活の利便性低下につながり、さらなる人口流出を招く−。コミュニティ・コンビニは、こうした負の連鎖を断ち切る可能性を秘めている。まずはモデルとなる四つの拠点を成功させ、継続的な運営の仕組みを作らねばならない。今後の事業の行方に注目したい。

[京都新聞 2016年8月17日掲載]

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