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正念場の新プロリーグ より地域密着の運営を

運動部 井上広俊
Bリーグ初年度の京都ハンナリーズのホーム試合。栃木戦は3644人の観客が詰めかけた(2016年12月18日、京都市右京区・ハンナリーズアリーナ)
Bリーグ初年度の京都ハンナリーズのホーム試合。栃木戦は3644人の観客が詰めかけた(2016年12月18日、京都市右京区・ハンナリーズアリーナ)

 バスケットボールとバレーボールの国内トップリーグはこの1年でプロ化を巡って大きな動きを見せた。バスケットボールはリーグ分裂を乗り越えて野球、サッカーに次ぐ第3のプロリーグになりつつある。バレーボールはプロ化にはつまずいたものの、新リーグを来秋から発足させる。京滋のクラブも改革の途上にあり、地域の財産となるにはリーグと連携を密にした運営が求められる。

 バスケットボール界は2016年9月、NBLとbjリーグの分裂状態を解消し、男子初の統一プロ「Bリーグ」が誕生。ソフトバンクと4年120億円の大口スポンサー契約を結んだ。開幕前に出身地の京都を訪れた大河正明チェアマンは「年間30億〜40億円規模の事業にはなる。メディア露出が増えて選手の知名度も増す」と語っていた。

 実際、競技や選手への注目度は高まり、報道量も目に見えて増えた。人気チームの千葉ジェッツは1試合平均の観客数が4503人に達し、昨季の売上高は約9億円とサッカーJ2の中位程度に匹敵する。日本バスケットボール協会副会長の兒玉幸長・京都府協会会長は「京都ハンナリーズの試合に来ている層も競技経験者以外が増えている。見るスポーツとしての認知が進んでいる」と手応えを語る。

 Bリーグ開幕と前後して、バレーボールのVリーグ機構は18−19年開幕の「スーパーリーグ構想」を発表した。男子日本代表が2大会連続で五輪出場を逃しており、同機構の嶋岡健治会長は当時、「観客数や競技の国際競争力は低下している。活性化させるためのプロ構想だ」と改革の必要性を説いた。Bリーグを引き合いに「企業スポーツにも限界がある。このままではバレーだけが取り残される」と危機感も募らせていた。

 性急な構想に、プロ化は先送りとなった。しかし、各都道府県協会が持っていた試合の開催権をホームチームに与え、ビジネス化する方針は残った。現在、大津市に拠点を置く女子の東レアローズの滋賀での試合は年間2試合のみ。今後、ホーム試合を増やすことも盛り込まれ、滋賀県協会の藤井重機会長は「見る機会が増えれば、地域のチームとして、より身近な存在になる」と期待を寄せる。

 一方で経営基盤の弱いクラブが立ちゆかなくなる事態も出てきた。6月に女子バレーの仙台ベルフィーユが解散。昨季Bリーグ2部の鹿児島レブナイズはリーグの融資を受け、3部降格の上で再建中だ。大河チェアマンの「経営状態によってチームが淘汰される」という見通しが現実味を帯びる。京都ハンナリーズは昨季リーグ最少の観客数に課題があり、滋賀レイクスターズも資金面の基盤は弱い。

 地域を盛り上げ、愛される球団をいかに育てるか。リーグ、クラブ、地元競技団体が一体となって知恵を絞りたい。

[京都新聞 2017年10月18日掲載]

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