■路地で花火 夏の思い出残す

 光が瞬く。暗い路地が浮かび上がる。変わりゆく火花を誰もが一心に見つめる。

 下京区の東中筋通は高辻から仏光寺まで石畳が続く。私道のため、路地はアスファルト舗装されずに残った。

 「メンコやコマ回し。昔は遊び場やった。でも、だんだん遊びが変わって、子どもの数も減った」。路地沿いに暮らす薮下清吾さん(61)は振り返る。典型的な京町家が並んでいたころ、石畳はもっとにぎやかだった。

 日が暮れた。花火にはまだ、子どもを外に呼び出す力が残っている。笑い声に薮下さんも誘われた。「線香花火か。懐かしいな。ポトリと落ちたときは残念やった」。

 火花が照らし出す。変わらぬ路地と夏の思い出。


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