■地上12メートル 回り続け半世紀

 「ママー、パパー」。ゴンドラから地上に手を振る。高さはたった12メートル。それでも、見下ろせば両親が小さく見える。

 京都市動物園(左京区)の観覧車は昭和31年に完成した。現役では日本で2番目に古いという。

 「休日の切符売り場は長蛇の列だった」。観覧車を運営する日本科学遊園(山科区)の江川宏常務(66)は当時を振り返る。娯楽が増え、列はできづらくなった。観覧車も高さを競う時代になった。

 「しっかり座っているのよ」。母親が幼子に注意している。小さいがゆえに、初体験の子も多い。骨組みはまだまだしっかりしている。1周2分50秒の時間を刻み続けて半世紀。これからもゆっくりと回り続ける。


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