■フランソア喫茶室 昭和初期の雰囲気守る

 古風なワンピースに身を包んだウエートレス。陶器の置物のように店と同化し、客の動きに目を配る。手が挙がった。静かに近づき「ご注文をお伺いします」。

 1934(昭和9)年創業のフランソア喫茶室(京都市下京区西木屋町通四条下ル)。店の責任者の今井香子さん(65)は「昭和初期の雰囲気を守っている」とこだわる。

 「祖母も昔から来ていたそうです。どんな思い出があるかは知りませんが」とウエートレスの鈴木まやさん(22)。陶器とはほど遠い笑顔を見せる。祖母は今もたまにやって来るという。

 クラシック音楽もアンティークの調度も昔と変わらない。制服姿のウエートレスが運ぶコーヒーの香りに、ふと呼び起こされる思い出があるのだろうか。


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