■お手伝い 照れくさくも誇らしく

 「いらっしゃいませ」。苦手なあいさつもがんばる。大きな前掛けをひもで体に縛り付け、きびきび動き回る。

 京都市上京区の出町商店街。こんにゃくを製造販売する尾崎食品で尾崎奏太君(10)が店売りに立つ。空手やバイオリン、塾にも通う今風の子どもだが、月に1、2回は家業を手伝う。

 3代目で現社長の父建太さん(41)は「八百屋の子も和菓子屋の子も、昔はみんな店番をした」と話す。自身も、冬休みはこんにゃくの袋詰めに駆り出された。「ほんま嫌でした」と振り返るが、猫の手も借りたい時代だった。

 「小さいのにえらいなぁ」。店頭で、奏太君はよく褒められる。照れくさいが誇らしい。「ありがとうございました」。でもあいさつはやっぱりまだ恥ずかしい。


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