■稲木で乾燥 太陽たっぷり

 天日に干され、かさかさになった稲のそばで、長靴をはいた子どもが元気に駆け回る。驚いたバッタやカエルが跳びはねる。

 京都市左京区上高野の橋本正次さん(72)の田んぼでは、今も細木を組んだ「稲木」で稲を乾燥させている。10月中旬の休日、長男や姉夫婦ら親類が集まって脱穀をした。稲穂を外し、運搬し、稲木を分解する。自然な流れで作業を分担する。

 周囲は宅地化が進み、橋本さんの田んぼにも移動式の脱穀機などの機械が入るようになった。それでも稲木だけは昔と変わらず、一面が田んぼだった当時の面影を今に残す。

 「先祖から継いだ土地。元気なうちは続ける」。橋本さんが汗をぬぐった。太陽を浴びた新米をほおばるのを、家族は楽しみに待っている。


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