■対面販売のぬくもり残す

 買い物を終えても、世間話に花が咲く。近所の人が通う小売市場には対面販売のぬくもりが残っている。

 京都市中京区丸太町通西大路東入ルの「円丸(えんまる)市場」。昭和の時代には15店が入り、人垣で容易に進めないほどだったが、今は2店のみになった。スーパーで買い物する人が増え、客足が遠のいた。後継者難もあり、1995年ごろから空き店舗が増えていった。

 「市場に来れば地域の人と出会えた。活気を取り戻してほしいと願っている」。40年来通う正木紘子さん(69)は話す。店が減り、欲しいものすべてがそろわない市場に通い続ける客がいる。

 「今日はほんまに寒いね」。店主らの声は明るい。時代の流れにはあらがえずとも、今日も市場では人と人とが交わっている。


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