Kyoto Shimbun


環境を考える
どう進める「環境学習」

 人々の環境意識の高まりを背景に、学校で今、環境学習が花盛りだ。ケナフ栽培、空き缶収集、ビオトープ、雨水の利用…。来年3月に京都や滋賀で開かれる「世界水フォーラム」に向けて、京都市教委は本年度中に市立小学校全校に雨水タンクを設置することを決めた。しかし、環境問題はすそ野が広く、何をどう教えたらいいのか、現場での戸惑いも多い。先生向けのセミナーを開くなど、環境団体も学校との連携を模索し始めた。

ケナフ栽培、ビオトープ、
雨水の利用…花盛りだが

 本年度から京都市教委の「環境教育研究指定校」となった桂中(西京区)は6月、地域で清掃活動を行い、住民にメッセージカード入りのティッシュを配って「桂をきれいな町に」と訴えた。今後、環境家計簿や環境マップ作りに取り組むが、林宣行校長は「環境学習は家庭科や理科、社会科などいろんな切り口がある。環境問題のどの分野に焦点を当て、どう教えればいいのか、戸惑いました」と打ち明ける。

 市教委によると、市内のほぼすべての学校が「環境学習」に取り組んでいる。ただ環境学習に明確な定義はなく、内容は各学校に任されている。それだけに現場教師の迷いも大きい。「京のアジェンダ21フォーラム」(伏見区)の事務局コーディネーター能村聡さん(38)は「先生たちは教えるプロだが、温暖化の仕組みを説明できる理科の先生が、台所での省エネ方法をうまく教えられるとは限らない。環境学習は歴史が浅く、研究が進んでいない」と指摘する。

▽教科書はない

 市教委は1996年から環境教育の研究指定校を設け、指導方法を探っている。本年度は4つの小中学校を指定した。

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駅前で「町をきれいに」と、乗降客に呼びかける桂中の生徒たいt。暮らしの中で生かせる環境学習が目標だ(京都市西京区・阪急桂駅前)
 環境団体も環境教育の一翼を担おうと、動き出した。NPO法人「環境市民」(中京区)が今年1月、先生を対象に開いた「環境学習セミナー」には、群馬県や熊本県など遠方からの参加も含め約40人が集まり、関心の高さを裏付けた。

 「すぐに学校で活用できる学習方法を教えて」「何から手を付けたらいいのかわからない」

 会場では悩みの声が相次いだ。講師を務めた堀孝弘さん(43)は「環境学習に教科書はなく、答えも一つではない。成績化も難しい」と話す。堀さんは「環境にやさしい紙の原料」として植えられるケナフを例に挙げる。成長が早く背の高いケナフは、日陰を作ったり家畜のエサにも役立つ一方で、休耕田に植えると土がやせたり、枯れると吸収した二酸化炭素を再び放出する。「ケナフは環境にやさしい、という単純なものではない。場所や目的を考えてケナフを植えるべき」と訴える。

▽仲介役も必要

 能村さんも「学校に雨水タンクやビオトープがあるだけでは、意味がない」と指摘する。「大事なのは考える過程。ノウハウがない先生が環境学習を担うのはしんどい。学校と環境団体、地域が一緒に学び合える状況を作り上げていければ」と話す。

 6月下旬、左京区のだん王児童館に雨水タンクが設置された。複数の環境団体が水資源について説明したり、児童と一緒に設置作業をした。こうした地道な活動を通して学校と環境団体が信頼関係を築き、子どもたちに合ったメニューを作りあげられるかどうか。能村さんは「環境団体と学校の間を結ぶ仲介役が必要になる」と、今春オープンした京(みやこ)エコロジーセンターなどの活動に期待を寄せる。(2002年7月12日掲載)


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