Kyoto Shimbun


環境を考える
広がるエコ住宅

 地球温暖化防止など環境に配慮した住宅づくりを模索する動きが京都でも広がっている。長年、住み続ける住宅は、住み手の生活スタイルも問われる。また、単なる省エネだけでなく、建築段階から住み終わって住宅を廃棄するまでの環境への影響全体を考える必要がある。住宅のライフサイクルを見通した環境への影響を総合的に評価する仕組み作りが求められている。(社会報道部 円城得之)

総合評価の仕組み作りを
京都でも太陽熱活用住宅

 京都市下京区の高校教諭西井功さん(48)の自宅は昨年8月に完成した。屋根の一部が、太陽の熱を集めるガラスのパネルになっており、屋根裏から床下まで通気管が通っている。太陽で暖められた空気で床下から家全体を暖める仕組みだ。

 西井さんは「他の暖房も必要だが、省エネ効果は高い」と満足そうだ。設計した建築士田代純さん(53)は「夏も放射冷却を利用して暖かい空気を外へ出すので比較的涼しい。窓などで自然の風が通りやすくする工夫もしている」と話す。

 政府の「地球温暖化対策推進大綱」は、住宅・建築物で、空調や照明、給油など設備面の省エネ性能の向上により、民生部門全体の約42%に当たる3560万トンの二酸化炭素を削減する目標を立てている。省エネ基準も強化しており、省エネ住宅への割り増し融資制度も設けてある。

 しかし、地球温暖化防止に取り組む京都のNPO法人(非営利特定法人)気候ネットワークは、「省エネ基準も単なる努力規定で、省エネ住宅への優遇税制など具体的な政策もなく、削減目標は過大だ」と批判する。

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屋根の一部を太陽熱を集めるガラスパネルにしてある住宅(京都市下京区)
 エコ住宅の定義は難しい。ペアガラスや断熱材を多く使って高気密、高断熱化し、冷暖房効率を高めるのか、京町家のように風通しが良い住宅かで意見が分かれる。「結局、住む人がどの生活スタイルを選ぶかの問題」(気候ネットワーク)という。

 気候ネットワークは、昨年12月に温暖化防止住宅の在り方を考える研究会を立ち上げた。研究会に参加する京都府立大の松原斎樹教授(建築環境学)は「高気密や省エネ、太陽光発電装置設置などの住宅がメーカーなどから多く出ているが、それだけで環境負荷が少ないかどうか判断できない」と話し、「材料の運搬にどれだけエネルギーがかかったかなど、建設時点や暖冷房効率など住む時点、住宅の廃棄時点のすべての段階のトータルな影響を考えることが必要」と指摘する。

 欧米では、すでに建物の総合的な環境影響を評価する指標が活用されている。日本でも国土交通省を中心に、同様の評価の仕組み作りが始まっているが、一戸建て住宅は対象となっていない。松原教授は「日本も一戸建て住宅を総合的に評価するシステムを早く導入すべきだ」と提言する。

 NPO法人「環境市民」(京都市)も、自然住宅研究会を設け、環境に配慮するとともに、シックハウス対策など健康への影響が少ない住宅づくりを探っている。地元の自然素材を使うことや、省エネ化、自然エネルギー活用、住宅の長寿命化などを目指している。

 一般向けのエコリフォームのセミナーも開いている。研究会代表で建築士の高谷敏正さん(51)は「住む人がリフォームにかかわるなど家に愛着を持ってもらい、さらに快適であることが重要。そうしないと試みは長続きしない」と話している。(2003年7月11日掲載)


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